がん保険の必要性について、皆様からのご臓談を受けて最近個人的に「???」が多くなってきたので、一度整理しようと思います。私は普段、保険の必要性を考えるに当たっては、「いつ」、「どんな」場合に保障が必要か考えて結論を出します。

そこで、がん保険も、「いつ」については「勤労期」と「年金生活期」に分けて、また、「どんな」については主たる治療が「入院治療」か「通院治療」かに分けて考察してみます。なお、保険による保障が必要となるであろう長期間の闘病に絞って考察します。


■「勤労期」×「入院治療」
まず、がんが長期入院を要するかについて、厚労省の「平成20年 患者調査」によれば、長期入院の殆どが精神疾患によるものであり、がんの罹患者は少なすぎて統計上表記されていません。これでは、がんの入院に備えるよりも、長期入院対応型の医療保険に入るなり、保障を厚くするなりしたほうが有意義です。

よって、この場合がん保険は「不要」です。


■「勤労期」×「通院治療」
この場合、仕事は継続できるものの、残業ができなくなるなど収入の低下が見込め、また、医療費は高額療養費制度を踏まえると年間約50万円必要です。「収入低下分」と「医療費50万円」を毎年賄わなければなりません。
しかし、入院と異なり収入が0になるわけではないため、基本的には貯蓄と生活費の切り詰めで対処すべきでしょう。

ただし、勤労期の定期保険であれば、支払保険料に比して保障が大きいため、保険としての価値も高いので、加入することも選択肢には入ります。終身保険は後述の「年金生活期」で無駄が出るので、消極的にならざるを得ません。

よって、この場合がん保険は「定期保険でなら一考の余地あり」です。


■「年金生活期」×「入院治療」
高齢者になった場合でも、長期入院の対象疾病は、精神疾患と循環器疾患が殆どなので、「勤労期」同様、がん保険ではなく医療保険に入ったほうが有意義でしょう。もっとも、「医療保険は不要(65歳以上で更に不要)」のとおり、医療保険も要りませんけれども。

よって、この場合がん保険は「不要」です。


■「年金生活期」×「通院治療」
この場合、70歳以上になれば高額療養費による公的保障が手厚くなり自己負担額が12,000円/月となる点を踏まえれば、保険が必須とまで言える支出ではないため、一先ず70歳以上については、がん保険が不要でしょう。

一方、70歳未満の場合は44,400円/月のため、保険金がないと厳しそうです。ただし、70歳まで踏ん張れば負担が大幅に軽減されるため、必ずしも保険で備える必要性は低いでしょう。

よって、この場合がん保険は「8割方不要」です。


以上の結果、がん保険は「基本的に不要だが、勤労期の一定期間について、定期保険に加入することは意義がありそう」と考えられます。

もっとも、将来「年金生活期」の医療制度が改悪される可能性が高いから「今のうちから終身保険に加入すべき」などの意見もあるかと思いますが、今から改悪を見越して加入することには疑問です。改悪以外にも不確定要素は多々あるはずです。

例えば、医学の進歩、ハイパーインフレ、TPPによる混合診療・自由診療の全面解禁、高額療養費制度は現在年間上限を設けるなど長期間治療者に優しい設計に移行しようとしていること…ざっと思いつくだけでもコレだけあります。あまり先のことまで不安がって陳腐化のおそれがある現行の保険に加入する意義は果たして大きいのでしょうか。
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