私は、ガン保険の検討に当たっては、長期間の闘病に耐えうる設計が重要だと主張してきました。

 しかし、なかなかデータでの裏付けがなく、いささか抽象論に陥っておりましたので、この度、良いデータが見つかりましたので主張を補強しておこうと思います。

 ガンに罹患するとどれだけ死亡しやすいのか、これを知っておけば終身ガン保険選びも幾分考えやすくなると思います。


◆ガン罹患後の統計的な死亡率

 20歳から60歳男性100人のうち、生涯で少なくとも1回はガンに罹患するのは63人です。

 ガンに罹患する63人のうち、1年以内に死亡するのは15人です。このうち、ガンが原因での死亡(以下、ガン死)は13人です。

 ガンに罹患する63人のうち、2年以内に死亡するのは23人です。このうち、ガン死は20人です。

 ガンに罹患する63人のうち、3年以内に死亡するのは27人です。このうち、ガン死は23人です。

 ガンに罹患する63人のうち、4年以内に死亡するのは30人です。このうち、ガン死は24人です。以降、ガンが原因で死亡する人数は横ばいです。

 ガンに罹患する63人のうち、5年以内に死亡するのは32人です。

 ガンに罹患する63人のうち、10年以内に死亡するのは39人です。


◆見える化するとこうなる

gansiritsu.gif

 
 青線がガン患者の死亡率で、赤線が一般人の死亡率です。一般人とは、ガン患者と同じ年齢群の一般人のことを指します。

 青線と赤線の差が、ガン死者の割合です。

 青線と赤線の差が拡大するということは、一般人よりもガン患者が多く死亡したということなので、つまりガン罹患の4年目頃まではガン死者が大変多いということです。

 逆に5年目以降は青線と赤線が概ね平行なので、一般人死者に比べて、ガン患者のガン死者は増加していません。

 ただし、5年目以降はガン患者のガン死者がゼロ人であるということではありません。

 一般人とガン患者の死亡率が概ね同じとなり、ガン患者であるということが死亡率を押し上げる要因にはならず、また、一般人とガン患者の死亡率が概ね同じであるが故にガン死の影響を抽出できないということに過ぎません。


◆以上のことから言えること

⇒ガンに罹患すると、1年以内という短期間に20%の確率でガン死する。

⇒ガンに罹患すると、4年間かけて40%の確率でガン死する。

⇒ガンに罹患するのは高齢者が多いため、ガン以外の原因で死亡する確率も高い。

⇒ガン罹患から4年を超えると、一般人の死亡確率と大差ないため、ガン死を特別に恐れる必要はない。

⇒これらのことから、次のことが考えられます。ガンに罹患した場合は、4年以内にガン死するか、ガンが治癒して4年を超えて生きられる。


◆終身ガン保険の重要検討事項

 ガンは罹患から短期間のうちに死に至るため、短期間に大きな保障を得ることが望ましいと言えるでしょう。

 しかし、63%という大変高い生涯罹患確率を踏まえると、短期間の保障を重視すると費用対効果が悪くならざるを得ません。

 つまり、初回診断給付金のみが支払われる保険に、加入者100人が各々100万円払ったところで、ガンに罹患する63人に160万円、つまり差し引き60万円が支払われるに過ぎず、「小さな掛金、大きな保障」を旨とすれば割に合いません。コスパが大変悪いのです。

 だからこそ、終身ガン保険では「ガンの軽重に応じた保障」が重要であると私は考えます。

 例えば、診断給付金の支給条件に「罹患から1年間は免責」などを加えて、罹患後1年以上経ってガン死してしまう11人を保障するための保険があったらどうでしょうか。

 この場合、11人に910万円を支給できるのです。コスパは一気に良好となります。

 1年以上にわたる闘病という負担に対して厚い保障を行う。そのために、それよりも負担が軽いと推察される1年以内に死亡してしまう15人や1年以内に治癒した人の保障を削減する。こういった方向性を私は好みます。

 もちろん、診断給付金が複数回支払われる保険も「ガンの軽重に応じた保障」の一つです。初回の支払いがコスパを悪化させてはいますが、数年の闘病に耐えられます。

 もっとも、ガン罹患から短期間のうちに死に至るという側面を踏まえると、悠長に2年毎に1回診断給付金を払う一般的なタイプよりは、発売されているのは少ないですが毎年1回診断給付金を払ってくれるタイプのほうがかなり魅力的ではあります。

 また、治療を行った月に給付金を支払ってくれるような保険も、ガンの軽重に応じた保障が期待できるので優れています。例えば、当ブログでも記事にしているチューリッヒのガン保険です。詳しくは「最強の終身がん保険『終身ガン治療保険プレミアム』にて。

 従いまして、終身ガン保険を選ぶ際は「ガンの軽重に応じた保障」を重視し、如何に上皮内ガンのような軽度ガンや1年以内に死亡する場合の保障を低く抑えることができるかが重要と言えるでしょう。

 そうすれば、治療が早期に終わるガンには僅かな保障、治療が長期にわたるガンには厚い保障という大変効率的な保障が期待できます。

 以上、終身ガン保険に対する私の考えです。

 なお、定期ガン保険についても、同様に「ガンの軽重に応じた保障」が重視されるべきだと考えます。

 しかし、30代や40代ではそもそもの罹患率が大変低いのでコスパが良好なこと、さらに働き盛りで子育て期間という特殊事情を勘案すると、短期間に極めて厚い保障を得てあらゆる治療に挑戦することは重要であると思いますので、終身ガン保険と同列には語れないと考えていますが、これはまたの機会にでも。


【備考】
罹患率について、国立がん研究センターがん対策情報センター「最新がん統計
死亡率について、全国がん(成人病)センター協議会「全がん協生存率
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コメント
この記事へのコメント
初めまして。
最近医療保険や癌保険について調べていたとかろ、こちらを目にしました。
今9年間程オリックスの旧キュアに加入している44歳の夫婦です。
旧キュアは日額1万60日型、手術20万、特約で三大疾病一時金50万に、通院と先進医療と払い込み免除特約などは無しで60歳払い込みで、月に2人で15000円ちょっとの支払いです。
しかし特約の一時金の50万は癌になっても入院しないとおりません。
私は基本、癌はどこかしらで入院するものだと思っていましたが、一度も手術や入院をせずに通院で癌治療が出来る場合もあると聞きました。そしてこの先はもっと増えていくだろうと。
そうすると旧キュアの内容ではこの先、私達が60代や70代になる頃にはどうなんだろうと不安になりました。
あと16年で払い込みは終わりますが、2人で総額400万以上なので安くはないと思います。
新キュアと比べると手術の種類も少ないし、一時金の50万も2年に1回と保障も低いので、ここまで払ってしまったのは諦めて保険を切り替えたほうがいいのか悩んでいます。
保険料は今と同じ位に留めたいので、そうすると新キュアでは日額5000円の手術10万に減額して三大疾病一時金を50万と、癌通院日額5000円と先進医療と払い込み免除をつけ、払い込み期間を65歳にすると月の保険料は今と同じ位の金額になります。
プランナーの方には、セカンドオピニオンサービスもつくし旧キュアは解約して減額してでも、新キュアに入るのをすすめられましたが実際どうなのでしょうか。
今の保険料位で考えると内容的にも、他社より新キュアが1番良いと言われました。
2017/01/06(Fri) 17:17 | URL  | レイナ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
管理人です。

レイナ様、コメントありがとうございます。

お尋ね旧キュアの必要性につきましては、私も大変低いと思います。一人当たりこれから140万円も支払っていくことを考えると、乗り換えたほうがよいと私は思います。

140万円も出せば、十分な保障買えると思います。しかし、新キュアはあまり良いとは思いません。60日程度の入院に保険は不要だと思います。なぜならば預貯金で対応すべき事柄だからです。

仮に貯蓄が0円であったとしても、終身型に加入せずに定期型で備えながら貯蓄に励むべきだと考えます。

個人的には、医療保険ではチューリッヒの「プレミアムDX」を特殊設計したもの、ガン保障ではチューリッヒの「終身がんプレミアム」あたりを良質な保険だと認識しています。その理由に関しましては各記事をご参照下さればと思います。

プレミアムDX http://hokenno3704.blog60.fc2.com/blog-entry-159.html
終身がんプレミアム http://hokenno3704.blog60.fc2.com/blog-entry-135.html
2017/01/06(Fri) 20:54 | URL  | 管理人⇒レイナ様 #-[ 編集]
早速お返事ありがとうございます。
今既に2人で160万程支払っているのと、日額1万、手術20万、三大疾病一時金50万は悪くはないのかなぁ…と思ったりもしました。でもこれから更に280万ほど払って、20年30年先にきちんと役に立つ保険なのか…という不安もありました。
保険会社の方からは、今は入院はどんどん少なくなっているから、先を考え入院日数より通院保障などをすすめられたり、今後高額療養費の上限も上がるだろうし、75歳以上も1割負担では済まなくなるだろうからその負担も考え、医療保険は終身で入る事をすすめられたりと、素人からしたら相談すればするほど混乱してしまい、もうすすめられた新キュアにするべきか悩んでいる時に、こちらを知り相談させてもらいました。
確かに癌になり一時金50万、手術20万、60日入院したとして60万で合計130万おりたとしても、今後旧キュアに140万払うのを考えたらそれを解約してその分貯金しておくのと変わらないかもしれないですね。
紹介してもらった保険、ゆっくり見させてもらいます。
2017/01/06(Fri) 22:38 | URL  | レイナ #fZUo1r6Y[ 編集]
Re: タイトルなし
管理人です。

レイナ様、コメントありがとうございます。

日額1万、手術20万、三大疾病一時金50万という保障内容は悪くないです。実際給付金を受け取ることになれば「保険に加入していて良かった」と思うことでしょう。

しかし、先日リンクを貼った各記事をご覧になったのであればご承知のとおり、私が保険に求めるのは「保険に加入していなければ破産していたかもしれない」、そんな事態です。

勤労期における数年に及ぶガン治療や数年に及ぶ長期入院、先進医療、自由診療そんな事態に運悪く遭遇したときに助けてもらえる保険を私は選びたいと思うのです。

これらを諦めるリスクとして切り捨てるのであれば、それはそれで理解できますので、新キュアへの乗り換えでも私は賛成したいと思います。旧キュアよりは進化していますので。

しかし、大進化したわけでもなく、あまり変わり映えしませんので、旧キュア全額解約には反対です。既に支払ってしまった160万円のこともありますし、旧キュアの保障額を一部減額して、新キュアに振り向ければそれで十分かと存じます。
2017/01/09(Mon) 00:18 | URL  | 管理人⇒レイナ様 #-[ 編集]
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