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 私は、行動経済学やら心理学の話が大好きだ。さすがに学術書を読むレベルではないが、一般読者向けのその手の本はよく読む。そんなある日、こんな本を読んだ。

 『なぜ、間違えたのか? 誰もがハマる52の思考の落とし穴』だ。タイトルのとおり、私たちの心理に潜む52個のワナを述べたものだ。

 そこで、同書と保険を結び付け、これらのワナが保険販売の中でどのように活用されているのか、私の解釈の下、また個人的な備忘録として記述していこうと思う。


◆お返しの法則のワナ

 今回ご紹介するワナは『お返しの法則のワナ』だ。

 このワナは、ギブアンドテイクの関係を暗に強制させるワナだ。身近な例でいえば、食事をおごる行為が挙げられる。

 友人におごってもらったら、次の機会にはおごってあげようという気持ちが生まれる。

 上司におごってもらったら、恐縮している私に上司はこう言う。『昔は俺も上司におごってもらったんだ。君も偉くなったら部下を大切にな。』

 ビジネスに目を向ければ、素晴らしい好例が見つかる。そう、『接待』だ。接待は、お得意様にあらん限りのおもてなしをして恩を売り、自社製品を買ってもらう行為だ。


◆保険の世界での活用例

 では、このワナが保険の世界でどのように活用されているのだろうか。

 このワナが分かりやすく活用されているのは、大手保険会社だ。私が体験した事例を紹介しよう。

 あなたは、大手保険会社の販売員と保険相談したことはあるだろうか。私の職場では大手漢字生保の販売員が各部署を足繁く回っている。

 彼女らのプレゼント攻勢は凄まじい。手始めに、自社の保険加入者か否かに関わらず、全員にお菓子を配ることから始まる。

 そして、ここからが本番だ。お菓子と引き換えに現在の保険加入状況を聞くのだ。

 私は、面倒だと思いながらも、『加入状況ぐらい教えていいじゃないか。減るものでもないし、お菓子も貰ったし。』と思い、応じてしまう。

 それからは、彼女のペースだ。

 『医療保険やガン保険にも加入しないと、出費が痛いですよ。良い保険があるので、一度見て下さい。』

 彼女と会話を続けるうち、私は『少しだけなら』と保険相談に応じてしまう。(お菓子を貰ったばかりにこんなことに・・・)

 後日、相談のために会うと、またもやプレゼント攻勢が行われる。キャラクターもののボールペンにクリアファイル、果てはトランプまでくれるじゃないか。

 さらに驚くべきことに、前回提供した私の生年月日から、占星術だか何だかの鑑定結果まで添えられている。

 これは、もはやプチ接待だ。この状態で保険の提案を受けたなら、今の私なら一蹴するだけの自信があるが、数年前の保険素人の私ならば、加入を前向きに検討してもおかしくはない。

 だって、このプランは、日本を代表する保険会社の社員が、私のために数日間悩んで、私のためだけに提案してくれたものだ。気に入らなければ後日研究して乗り換えればいい。それに、色々貰ったのに、お返ししないのは気持ちが悪い。

 まぁ、このように考えた時点で、『お返しの法則のワナ』だけでなく、他の様々なワナにもハマっているわけだが、それはまた別の話だ。

 そして、これこそが保険の世界における『お返しの法則のワナ』なのだ。

 保険の相談をするだけで貰える商品券や粗品、保険会社のマスコットの玩具なんかも、このワナに関係する。


◆ワナの回避方法

 他のワナもそうだが、このワナには普通気付かない。簡単に気付けないからこそワナなのだ。

 心が、奥底のほうで、ギブアンドテイクの関係を要求していることになど気付けない。

 でも、この話を読んだあなたは違う。このワナに気付くための経験を得た。

 保険会社からプレゼントを貰ったら、昔から聞かされている一文を思い出すだろう。

 『タダより高いものはない』って。



参考書籍:『なぜ、間違えたのか? 誰もがハマる52の思考の落とし穴』(著:ロルフ・ドベリ、訳:中村智子、2013年サンマーク出版)
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