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 医療保険は、保険が本当に必要な人にしか入院給付金が支給されないように設計されています。何が言いたいのか分からないと思いますが、まずは以下の事例を考えてみて下さい。


◆事例-ヘルニアで102日間入院

 さて、事例をひとつ挙げるので、考えてみましょう。主役は太郎さん(仮名)です。

 ある日、太郎さんは痛めた腰を診てもらうために病院に行きました。診察の結果、ヘルニアであることが発覚し、医師から『 入院治療するように 』との診断がありました。

 診断5日後、入院準備を整えた太郎さんは徒歩で病院に赴き、入院を開始しました。入院期間は102日間にも及びました。

 入院期間中、太郎さんは銀行振込や父親の見舞いという止むを得ない用事のため、腰の痛みを我慢して外出することがありました。

 退院した太郎さんは、102日分の入院給付金を貰おうと保険会社に問い合わせました。

 すると、保険会社からは想像を絶する回答が返ってきました。

 『 入院給付金は、1円たりとも支払わない 』


◆担当医師の判断なんて関係ない

 実は、この太郎さんの事例、ADR機関(準裁判所だと思ってください)に持ち込まれたもので、実際にあった事例なのです。そして、裁定の結果、保険会社の主張が認められています。

 つまり、太郎さんには入院給付金が1円も支払われていないのです(ただし、この後、太郎さんが正規の裁判を起こして、保険会社に勝っている可能性があるにはある)。

 保険会社の主張は、次のとおりです。

 1.入院の要否は、担当医師の判断のみで決まるものではない。医学的知見に基づき客観的に判断されるものである。

 2.そこで、太郎さんのヘルニアを医学的知見に照らして客観的にみると、通院治療が十分可能で入院治療を要するものではない。

 3.さらに、入院時に徒歩で来たこと、数度の外出を行っていることを踏まえると、やはり入院治療が必須だったとはいえず、治療は通院で行うべきであったと考える。


◆通院治療が可能だとしても『入院』しただろ!!

 太郎さんとしては、『100歩譲って通院治療が可能だったとしても、入院したのは事実なのだから、入院給付金を払え!!』という気持ちでしょう。

 しかし、この理屈は絶対に通らないのです。

 なぜなら、太郎さん自身が過去に 『通院治療が可能な状態での入院では、入院給付金は受け取りません』 ということに同意しているからです。

 太郎さんはいつ同意したのでしょうか。それは、約款に目を通し保険会社と契約した時点です。

 そう、医療保険に加入したときです。約款には、『入院』 の定義が次のように書かれています。

 入院とは、医師による治療が必要であり、かつ、自宅等での治療が困難なため、病院・診療所に入り、常に医師の管理下において治療に専念すること。

 この約款の内容で太郎さんがサインして契約してしまった以上、太郎さんに勝ち目はありません。

 なぜなら、通院治療が可能ということは 『自宅等での治療が困難なため、常に医師の管理下において治療に専念する』 という 『入院』 の定義に合致しないからです。

 太郎さんの入院は、入院であって入院ではないのです。


◆太郎さんから学ぶべき教訓

 ひとーつ!! 『入院』には、2種類あることを心得るべし。すなわち、広い意味で使われる『入院』と、医療保険が機能する狭い意味の『入院』がある。

 ふたーつ!! 入院中の外出は控えるべし。入院中の外出は、通院治療でも大丈夫だと言っていることに等しい。

 みーっつ!! 保険会社の言い分に納得できないなら、泣き寝入りせずに、まずはADR機関を使うべし。生命保険相談所に置かれている裁定審査会は、無料で利用できるので徹底的にやり合うべし。

 ちなみに、太郎さんの例が特異というわけではなく、似たような事例はADR機関で多く審理されています。

 私が見た限り、太郎さんのように、 保険会社から『入院の必要はなかった。通院で治療できた。』 と言われ、入院の定義でトラブっている例が医療保険では一番多いです。

参考資料:裁定審査会、[事案23-128]入院給付金支払請求
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コメント
この記事へのコメント
そもそも、ヘルニアで102日間入院するというのが、今の医療報酬の点でわからないのですが?
入院可能なのでしょうか・ガンでひどい状態でも、治療がないと退院の勧告を受けし脳梗塞で救急車で運ばれても急性期の病院でまず1ヶ月と言われますが??手術はしてリハビリとかではないのでしょうか?102日間の入院といったら???わからないですよね。そんなにいさせてくれるのか?それが現実の医療の実体ですし、普通ちゃんと治療であれば給付されると思いますが?
2013/08/14(Wed) 22:28 | URL  | こてつ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
こてつ様、コメントありがとうございます。

「現実の医療の実体」を存じませんので、102日が妥当かどうか、それこそケースバイケースで何とも言えませんが、現実にこの例のような人が多いことだけは事実です。

これらの人は、わざわざ貴重な時間を割いてまで訴えるわけですから、自身が正当な権利を行使していると思っている方々です。

ご指摘の「普通ちゃんと治療であれば給付される」と思っている人達だと考えられます。

中には、給付金詐取の目的でゴネ得を狙っている人もいるでしょうが。
2013/08/15(Thu) 20:39 | URL  | 管理人⇒こてつ様 #-[ 編集]
そうなんですか。身近にいないからびっくりですね。
普通約款なんてあまり読まないですが。そんな状況になったらやはり私も訴えます(笑)
2013/08/16(Fri) 10:47 | URL  | こてつ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
こてつ様、コメントありがとうございます。

約款を読んでいても、担当医師が入院を勧めたのであれば、給付金が出ると思ってしまいますよね。

私も訴えます!!
2013/08/18(Sun) 09:11 | URL  | 管理人⇒こてつ様 #-[ 編集]
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