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 終身死亡保険や年金保険、養老保険といった貯蓄型保険の検討に当たって、最も重視すべきは返戻率でしょう。

 返戻率は、加入契約時点の市場金利に大きく左右されます。

 例えば、終身死亡保障200万円を買うのに必要な保険料は、平成28年に加入した30歳男性で177万円です。一方、平成25年に加入した50歳男性で147万円です。

 驚くべき事実です。加入年齢が30歳か50歳かということなんかより、たかだか3年程の金利変化のほうが遥かに重要なのですから。

 それなのに、保険会社は過去の保険料を教えてはくれません。今が加入時なのか否かは私達加入者が判断しなければならないのにも関わらず、です。判断材料すら提供してくれないとは最悪です。

 仕方がないので、今が加入時なのか否かの判断材料を保険会社の昔の「お知らせ」から拾い集めました。


◆保険会社は、保険料と返戻率の歴史的推移を示せ

 保険会社は加入時期によって返戻率がどれほど変わるのか過去の情報を明らかにしません。そんな投資商品おかしいでしょう。過去の国債金利や株価収益率は誰でもアクセスできます。

 保険会社は「銀行に預けておくより有利ですよ」と言います。そんなことは聞いていないのです。いつ加入しても預貯金金利より有利なのですから、無意味な情報です。

 「預貯金より国債のほうがいいよ」と言われているのと同じです。そんなことは周知の事実であり、問題の所在は今が加入時なのかどうかです。

 貯蓄型保険の検討に当たって私達に必要な情報は、「金利見直し前後の保険料と返戻率の歴史的推移」です。

 この情報さえあれば「今は割に合わないな」、「もう少し待ってみるか」といった判断を自信をもって下せるのです。

 仮に今、3年前より返戻率が30%ダウンしているなら、3年後に30%アップしている可能性だってあるのです。

 同じだけの保障が30%も安く買えるなら、私は3年でも10年でも待ちます。30%も安くなるなら、加齢に伴う保険料増加なんて気になりません。解約し難く、当初の金利を超長期間にわたって背負う利殖目的の金融商品にあっては、加入時期が最も重要です。

 それなのに、保険会社が必要な情報、つまり「金利見直し前後の保険料と返戻率の歴史的推移」を示していないせいで、私達は3年前の返戻率と比較することも叶わず、今後金利がどれほど上向くか予想しても過去の保険料が分からないために右往左往し、挙句ただただ預貯金より有利かどうか比べるばかりなのです。


◆保険料・返戻率推移を自力で探ろう

 保険会社は、金利や死亡率の変化を受けて保険料を度々改定しています。

 多くの会社では改定のたびにホームページに「お知らせ」を掲載して、どれだけ値上げ・値下げするのか公開します。

 しかし、残念ながら改定履歴を一覧で掲載するような良心的な会社は見当たりません。仕方ないので「お知らせ」を集めて繋げるしかありません。

 「お知らせ」収集を始めると、また壁にぶつかります。「お知らせ」の条件が年によって異なるのです。

 ある年は30歳男性の60歳払済のケースで保険料がどれだけ改定されるか公開しておきながら、またある年は40歳男性の終身払ケースで公開する、こんな風に比較困難な状態で「お知らせ」する会社ばかりなのです。

 それでも、同一条件で「お知らせ」を出している良心的な会社はありました。諦めてはなりませんね。そこで、私が拾い集めて繋げた情報を公開します。


◆月払終身死亡保険の保険料推移

保険会社:アフラック
商品名:未来の自分が決める保険 WAYS
保険料払込期間:60歳払込満了
保障内容:死亡時200万円
総払込保険料推移:以下のとおり

【30歳男性】
 H25. 3 129万円(予定利率1.85%)
 H25. 4 152万円(1.25%)
 H27. 4 132万円(1.4%)
 H28.11 177万円(0.65%)

【40歳男性】
 H25. 3 139万円(1.85%)
 H25. 4 161万円(1.25%)
 H27. 4 142万円(1.4%)
 H28.11 200万円(0.65%)

【50歳男性】
 H25. 3 147万円(1.85%)
 H25. 4 167万円(1.25%)
 H28.11 211万円(0.65%)


 同じ保障を買うのに、加入時期によってこんなにも支払う保険料が異なるのです。

 超低金利なH28.11に加入した30歳男性よりも、H25.3に加入した30歳男性のほうが48万円もお得に200万円の保障が買えるのです。

 しかし、もっと注目すべき箇所があります。記事冒頭で紹介したように、超低金利なH28.11に加入した30歳男性よりも、H25.3に加入した50歳男性のほうが30万円もお得なのです。

 終身型の貯蓄型保険にあっては、加入年齢が30歳か50歳かということなんかより、たかだか3年半の金利変化のほうが遥かに重要なのです。

 このことから導き出される結論は明らかです。

 昨今の超低金利下に貯蓄型保険に加入する意義はない、そんなところでしょう。もっとも、「今後半世紀ほどは今の金利を超えることはない」と考える人がもしもいるのであれば、加入時は今です。

 さて、現在の30歳男性が取るべき勝率の高い戦略とは何でしょうか。

 それは、マイナス金利政策という非常事態の最中に終身死亡保険に加入するよりは、貯蓄型保険への加入自体を我慢するか、定期保険に10年でも加入して金利が上向くのを虎視眈々と伺う戦略でしょう。少なくとも私はそう思います。

 なおWAYSについては、H25.3とH27.4の保険料について、予定利率の差のわりには保険料に差がないので、保障内容面での改悪(または加入時告知を大変厳しくして想定死亡率を引き下げたり、社員の給料を減らして事務コストを劇的に削減したり)があったものと推察されます。


◆一時払終身生命保険の保険料・返戻率推移

保険会社:日本生命
商品名:一時払終身保険
加入者:50歳男性
保障期間:終身
保障内容:死亡時に500万円
一時払保険料推移:以下のとおり
 H25. 3 366万円(返戻率137%、予定利率1.4%)
 H25. 4 408万円(123%、1.0%)
 H27. 2 414万円(121%、0.95%)
 H27. 4 425万円(118%、0.85%)
 H27. 7 437万円(114%、0.75%)
 H28. 4 469万円(107%、0.5%)
 H28.10 496万円(101%、0.25%)
備考:少なくともH20.8月~H25.3まで予定利率1.4%。

 次は一時払保険ですね。やはり保障期間が終身にわたるような保険は、加入時点の金利状況で支払う保険料が大きく変わります。

 この推移を見たら、H28に加入するという判断はおよそ正当化できません。

 なお、ここでいう「返戻率」は「死亡保障/総払込保険料」のことであって、解約返戻金の返戻率ではありません。


◆一時払養老保険の保険料・返戻率推移

保険会社:日本生命
商品名:養老保険EX(H24.7から養老保険)
加入者:50歳男性
保障期間:10年満期
保障内容:死亡か満期時に500万円
一時払保険料推移:以下のとおり
 H20. 8 462万円(返戻率108%、予定利率1.3%)
 H21. 1 466万円(107%、1.2%)
 H21. 2 471万円(106%、1.1%)
 H22. 8 476万円(105%、1.0%)
 H22. 9 480万円(104%、0.9%)
 H22.11 489万円(102%、0.7%)
 H23. 4 471万円(106%、1.1%)
 H23. 7 476万円(105%、1.0%)
 H23.10 482万円(104%、0.85%)
 H24. 7 489万円(102%、0.7%)
 H25. 1 494万円(101%、0.6%)
 H29. 4 販売休止中

 保障期間が10年間しかないため、金利状況は保険料にそれほど大きな影響を与えません。


◆一時払年金保険の保険料・返戻率推移

保険会社:日本生命
商品名:年金名人EX(H24.7から年金保険)
加入者:50歳男性
年金支給:60歳支給開始
保障内容:60万円×10年の確定年金
一時払保険料推移:以下のとおり
 H20. 8 535万円(返戻率112%、予定利率1.3%)
 H21. 1 540万円(111%、1.2%)
 H21. 2 545万円(110%、1.1%)
 H22. 8 550万円(109%、1.0%)
 H22. 9 556万円(108%、0.9%)
 H22.11 566万円(106%、0.7%)
 H23. 4 545万円(110%、1.1%)
 H23. 7 550万円(109%、1.0%)
 H23.10 558万円(107%、0.85%)
 H24. 7 566万円(106%、0.7%)
 H25. 1 572万円(105%、0.6%)
 H29. 4 販売休止中

 保障期間が10年間と年金支払期間が10年あるため、養老保険よりも金利状況が保険料に影響を与えます。


◆それでは、いざ検討開始!!

 金利の行く末なんて誰にも分かりません。しかし、だからといって貯蓄型保険への加入どきが「入りたいと思った今その瞬間」なんてことは暴論です。

 加入検討者自らの良識に加えて、過去の保険料・返戻率の推移があれば、必ずや納得できる結論を下せると私は信じています。


出典:「一部貯蓄性商品の料率改定および販売停止について」(平成28年年10月14日)、「保険料率の改定について」(2013年1月28日 、アフラック)、「一時払年金保険・一時払養老保険の保険料率の改定について」(平成20年7月10日、日本生命)から「一時払終身保険の保険料率の改定について」(平成28年9月13日、日本生命)


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