あなたは、ガン診断給付金を複数回もらう条件を正しく理解しているでしょうか。

 一般的な理解としては、「ガンになって2年以上経ってから、再度ガンになったならば診断給付金を再度貰える」というものでしょう。パンフレットなどにも同様に載っていますね。

 でも、ちょっと待って下さい。少し考えると、「2年間ガンが治らない場合の扱いが不明確だな」などの疑問が出てきます。

 せっかくガン保険に加入するなら、あらゆるケースの長期療養にも対応できる保険を選びたいものです。

 これから、ガン診断給付金を複数回もらえるか否か、各保険によって異なるケースを見ていきますので、あなたの加入している、あるいは加入しようとするガン保険がこれらのケースも保障されるものかどうか確認してみましょう。


◆ガン診断給付金を複数回もらえるか微妙なケース

 それでは、再度診断給付金が貰えるのか否か問題となるケースを考えてみます。基準日は、前回診断給付金を貰ってから2年が経過した日の翌日とします。

1.診断給付金を貰ったガンが未だ治らず、闘病中の場合

2.診断給付金を貰ったガンは一旦は治ったものの、再発したガンと闘病中の場合

3.診断給付金を貰ったガンは治った(あるいは治っていない)が、転移したガンと闘病中の場合

4.診断給付金を貰ったガンは治った(あるいは治っていない)が、そのガンとは無関係に発生したガンと闘病中の場合

5.診断給付金を貰ったガンは治った(あるいは治っていない)が、今朝の診察で再発または転移したガンが発覚した場合


◆ケース別の説明(1~4。治療継続中の取り扱い)

 1~4については、要は2年経過後に未だに何らかのガンで闘病中の場合に診断給付金が貰えるのか、といった問題です。

 これは大変重要です。2年間も闘病生活を送っていては、金銭的負担も大きくなるのですから。この先4年、6年と闘病が続こうものなら家計的に大問題です。

 ガンがなかなか治らない場合の扱いを必ず確認しましょう!!

 
◆ケース別の説明(5。「新たなガン」とは何か)

 このケースは、説明が難しいです。1~4のケース説明うち、2・3の再発や転移ガンの事例と、4の新規ガンが何故区別されているのか、ということとも関係します。

 例えば、ひまわり生命のガン保険「勇気のお守り」の約款には、診断給付金について「2年経過後、新たにガンと診断確定されたとき」との旨の記述があります。

 さて、「新たに」とはどういう意味でしょうか。「新しく出来たガン」と捉えるのが普通でしょう。

 では、「新しく出来たガン」に再発や転移ガンは含まれるのでしょうか。

 再発とは、完治したと思っていた元のガンのガン細胞が実は残っていて、それが成長したために元のガンと同じ場所に再度ガンが出来たものです。

 転移の場合も元のガンのガン細胞が体液の流れに乗って、元のガンとは別の部位にガンが出来たわけです。

 従って、再発とは元のガンが再成長したもので、転移とは元のガンの一部が移動したものなので、元のガンと同一視できるため、再発も転移も「新たに出来たガン」とは必ずしも言い切れません。

 だって、治ったと思った風邪がぶり返したり、咳の症状にプラスして高熱が発生しても、「新たに風邪をひいた」なんて言いませんもの。

 2年経過後に再発や転移が発覚し、意気消沈している中にあって、頼みの診断給付金まで貰えないなんてことにならぬよう確認しましょう。

 なお、上述の「勇気のお守り」(H27.4)に限れば、親切にも「再発または転移したガンを含みます」と明示されているため、「新たに」の解釈上の疑義はありませんので、ご安心を。

 ただし、「勇気のお守り」の場合、1~5のケース全てが保障されるわけではなく、1のケースだけは保障されないようです。


◆担当者に確認するなら証拠も取ること!

 さて、診断給付金が支払われるか微妙なケースを見てきたわけですけれども、もしあなたがガン保険に加入しようと考えている場合や既にガン保険に加入しているならば、代理店の担当者なり保険会社なりに確認を取ることでしょう。

 このとき、注意しなければならない大切なことがあります。それは、「そのケースであれば支払われますよ」と言った相手の言葉を録音するなり、書面の提出を求めるなりして証拠を残しましょう。

 保険契約では約款や概要が全てです。あなたの質問内容が、約款上に明確に明示・定義されていて、複数回支払われる条件が明らかな場合を除いて、証拠が必須です。

 何故ならば、保険契約のモメ事に対処する準裁判所たる裁定審査会が公表している事例を見てみても、言った言わない、聞いた聞いていない、といった例が大変多いからです。

 証拠がなければ有利な条件での和解も難しくなってしまいます。


◆私の好きな約款(=支払条件が明確な約款)

 「証拠も取ること!」なんて言ってはみたものの、証拠を取るのは正直、難しいと思います。録音環境を整えるのも証拠を保持するのも面倒ですし、書面での説明要求なんて、これから(も)お世話になる相手に不信感という攻撃を加えるわけなので、なかなか難しいですね。

 と、なると残された道は一つ。支払条件が約款上に明確に記載されているものを選べば万事解決です。例えば、次の約款なんて、1~5のケースが間違いなく保障されるでしょうから、私は好感が持てます。

【がんベスト・ゴールドα 約款 2015/04/02~】

 被保険者が責任開始期以後の保険期間中に次のいずれかに該当したとき

 (1)初めて悪性新生物と診断確定されたとき

 (2)前回の悪性新生物診断給付金の支払事由が生じた日から起算して2年を経過した日の翌日以後に、責任開始期以後の保険期間中に診断確定された悪性新生物の治療を直接の目的として病院または診療所において入院を開始したときまたは通院をしたとき

※被保険者が悪性新生物以外の原因による入院中に、診断確定された悪性新生物の治療を開始したときは、その治療を開始した日に悪性新生物の治療を目的として入院を開始したものとみなします。

※前回の悪性新生物診断給付金支払事由該当日から起算して2年を経過した日の翌日(保険期間中に限ります。)に、診断確定された悪性新生物の治療を直接の目的として被保険者が病院または診療所における入院をしている場合は、その日に入院を開始したものとみなして悪性新生物診断給付金を支払います。



 この約款は素晴らしいですね。なんらかのガンが出来ていて治療中なら2年毎に支給金を出します、と大変よく分かるように書かれています。

 それでもなお疑問がないわけではないですが、それは他の保険にも言えることなので、かなり好きです。

 ちなみに疑問とは、「診断確定されたガンが意外に大きく、発生した時期を逆算すると責任開始期前のガン発生だと考えられる場合にちゃんと保障してくれるのか」( ⇒ 過去に自覚症状や医師等からガンである可能性の指摘などがあった場合は保障対象外か)、「支払には「治療」が条件となっているが、ガンを治すことが目的ではないいわゆる延命治療は「治療」に含まれるのか」( ⇒ たぶん含まれる)というものです。


 以上のような様々なケースが想定されるからこそ、保険選びは難しいものです。ただでさえ難しい保険だからこそ、保障内容が出来るだけ簡潔・明瞭なものを選んでいきたいですね。えぇ、もちろんコスパが最優先ですけれども。



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