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 昨今、日銀が2%のインフレを目指して積極的な金融緩和を行っています。インフレとは、物価が上がる(=貨幣価値が下がる)現象で、保険との関係も大変深く、インフレリスクを考慮せずに保険に加入すると痛い目に遭うかもしれません。


◆インフレがないと魅力的な「リリーフダブル」

 オリックス生命が販売するリリーフダブルは、終身死亡保障と終身医療保障がパッケージになった魅力的な商品です。

 30歳男性が60歳払済で契約した場合、月々5,281円の保険料で、総計190万円を支払えば、死亡保障250万円と医療保障が終身保障されます。

 総支払保険料は190万円です。一方、死亡保障は250万円です。死亡保障だけでも損しない設計なのに、医療保障まで付いてきます。最低でも60万円の儲けです。契約しない理由はありません。


◆でも、2%のインフレが続くと。。。

 リリーフダブルを売る側ならば上述の営業トークを言い放てば良いだけですが、買う側は一旦立ち止まらねばなりません。インフレに弱いのではないか、と。

 30歳男性の平均余命は51年です。ですので、この男性がリリーフダブルに加入して81歳で亡くなったと仮定して考えてみましょう。年間のインフレ率は2%です。

 するとどうでしょうか。名目価値250万円の死亡保障は、毎年2%ずつ実質的な価値を失っていき、51年後には実質価値だと、わずか89万円になってしまうのです。

 当然、支払保険料もインフレの影響を受けますので、名目価値で190万円であった総支払保険料は、実質価値で144万円まで下がります。

 従って、リリーフダブルを実質価値で捉え直すと、総支払保険料144万円に対して、死亡保障89万円ということになるのです。最低60万円の儲け、というセールストークは吹き飛びました。

 入院保障についても同じことが言えます。入院保障の名目価値は永遠に日額5,000円ですが、入院リスクの高まる80歳のときの実質価値は日額1,800円でしかありません。

 つい先程まで大変魅力的に見えたリリーフダブルも、インフレの前には輝きを失ってしまいます。


◆保険選びでもインフレリスクを考慮しよう

 このように終身保険は本質的にインフレリスクと隣り合わせなのですが、皆様のコメントを拝見する限り、多くの方はインフレリスクをあまり考慮されていないように感じます。

 リリーフダブルやメディカルkitR、一部の終身死亡保険や長期平準定期保険などは、積立部分の運用利率が固定であったり、利差配当のない商品なので、インフレに対して脆弱な商品です。また、医療保険やがん保険も定額保障なので、インフレに弱い商品です。

 一方、貯蓄型保険であっても利率が変動するものや、利差配当のあるもの、外貨建のものであればインフレにも多少なり対抗可能です。また、短期の定期保険も、見直しが容易で柔軟な対応が可能なので、インフレに強い商品と言えるでしょう。

 日本経済は、バブル崩壊以降ずっと低インフレからデフレ状態でした。そのような環境を過ごしてきた20代から40代の人にとってインフレ経済は想像し難いものです。

 しかし、インフレターゲットに日銀が本腰を入れた以上、アメリカや欧州経済のように、今後はインフレリスクも考慮した保険選びが必要だと思います。

 個人的な考えを特に述べさせていただくと、現在のようなデフレ・低インフレに伴う低金利下において貯蓄型保険、特に無配当で固定利率のものに長期加入することに魅力は感じません。

 また、終身医療保険や終身ガン保険に関しては、高リスクな高齢期を保障する仕組み自体にそもそも否定的ですし、加えてインフレに弱いことも踏まえると、あまり魅力は感じません。

 従って、やはり保険の基本は10年や20年程度の定期型保険であって、手厚い保障が必要な子育て期間などに限って利用するのが最もリスクバランスに優れる使い易い商品なのではないかと思うところです。


参考資料:平成25年簡易生命表(男)(厚労省)


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