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 本記事は全面的に撤回致します。理由は、コメントにおけるやり取りのとおり、SBIの自動車保険が他社に比べて劣るわけではないからです。

 ご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございませんでした。記事内容自体は備忘的に残しておきます。



 現在、SBI損保の自動車保険に加入していますが、次回更新時にはSBI損保では更新しないことを決めました。

 理由は、人身傷害補償の支払条件が他社に比べて不利だからです。

 私が人身傷害補償を重視しているのは『人身傷害は最低でも『1億円』で契約しよう!!』のとおりですが、SBIの自動車保険の人身傷害補償は、変なコストカットが施されており、私が求める補償を得られそうにありませんでした。

 危うく万が一の事故が起きた場合に十分な補償が得られないという致命的なダブルパンチを受けるところでした。


◆訴訟基準より人傷基準を優先する残念な仕組み

 上述のリンク記事で触れたとおり、事故時の損害額の算出に関しては、保険会社が自社の約款に基づいて算出する損害額(=人傷基準)よりも、裁判所で認定される損害額(=訴訟基準)のほうがかなり高額なことが知られています。

 例えば、一家の支柱を失った場合の慰謝料について、SBIの約款には『1,700万円+最大20%』との記載があります。その一方で、訴訟基準は『2,800万円』です。

 保険会社が訴訟基準を認めるか否かで、受け取れる保険金に大きな差が出ます。

 この点につき、SBIの自動車保険は訴訟基準を認めません。正確に言えば、訴訟基準は認めるものの、人傷基準の範囲内において認めるのです。

 例を挙げましょう。人傷基準で『1,700万円』と判定された後に、判決や和解による訴訟基準で『2,800万円』と決まった場合、SBIは20%増額の『2,040万円』までしか補償しないのです。

 残り760万円相当の精神的損害は遺族が受け止めろ、そんな保険会社の声が聞こえてきそうです。


◆SBIの約款上の問題個所

 次に、訴訟基準より人傷基準を優先する仕組みが、約款上どのように記載されているか確認しなければなりません。

 これをキッチリ確認しておかないと、代わりの自動車保険を見つけられません。それでは、SBIの約款を見てみましょう、と言いたいところですが、分かりやすい概要が載っておりましたので、そちらで代用します。

 事故の相手方(賠償義務者)から損害賠償金が支払われた後に、当会社が保険金をお支払いする場合で、事故の相手方との間で判決または裁判上の和解において損害の額が確定し、その基準が社会通念上妥当であると認められるときは、その基準により算出された額を損害の額とみなして保険金をお支払いいたします。ただし、これにより算出される額は、普通保険約款に定める損害額基準に基づき算定された損害の額を限度とします。


 簡単に言うと、『訴訟基準でお支払いしますよ。ただし、人傷基準の上限までですがね。』ということです。

 ただし書きが問題です。ただし書きさえなければ、素晴らしい人身傷害補償だと言うのに、残念です。

 まぁ、利用する可能性がより高い『事故の相手方(賠償義務者)から損害賠償金が「支払われる前」に、当会社が保険金をお支払いする場合』で、後に人傷基準を上回る損害額が訴訟基準で確定した場合はどうなるのかという疑問はございますが。


◆過失割合50:50の事故で考えてみる

 さて、実際に過失割合50:50の事故を起こしてしまった場合を考えてみましょう。一家の支柱を失った場合の慰謝料について確認します。

 損害額は、人傷基準では限度額の『2,040万円』、訴訟基準では『2,800万円』と判定されたとします。

 関係するSBIの約款概要として以下を載せておきます。

 加害者があり、加害者との裁判や示談等が確定した後に、保険金をご請求される場合

 1.この約款に定める損害額基準に基づいて算定された損害額が、既に加害者等から補償された額(注)等を上回る場合に、その差額を、保険金としてお支払いいたします。(第11条(1)③)
  (注) 対人賠償保険等によって支払われた額を含みます。

 2.「第11条(1)③により計算された額」よりも、「この約款に定める損害額基準に基づいて算定された損害額に、その事故にかかる被保険者の過失割合を乗じた額」の方が高い場合、その高い額を、保険金としてお支払いいたします。(第11条(1)④)


 まず、過失割合は50:50なので、相手方から1,400万円が貰えます。残る1,400万円が人身傷害の補償範囲ですが、この算定については、概要の1に従えば、『人傷基準(=2,040万円)が、加害者からの補償金額(=1,400万円)を上回る場合』に該当するので、2,040万円から1,400万円を引いて640万円が人身傷害補償から貰えることになります。

 従って、手元に残るのは、相手方からの1,400万円と人身傷害からの640万円を足した2,040万円です。はい、訴訟基準には足りません。

 次に、概要の2に従えば、『1の額(=640万円)よりも、人傷基準に50%を乗じた額(=1,020万円)のほうが高い場合』に該当するので、人身傷害補償から640万円ではなく1,020万円貰えることになりました。

 従って、最終的に手元に残るのは、相手方からの1,400万円と人身傷害からの1,020万円を足した2,420万円です。はい、それでも訴訟基準には足りません。

 残る380万円もの精神的損害を遺族が受け止めるとなると、天国に居る一家の支柱は真剣に自動車保険を選ばなかったことを悔いるでしょう。


◆慰謝料以外でも人傷基準は訴訟基準に当然劣る

 今まで、慰謝料について見てきましたが、人傷基準はその他の損害算定についても訴訟基準より劣ります。

 例えば、交通事故で介護状態となった25歳女性の判決例では、介護に伴う住宅改造費で1,800万円、介護料として日額2万円が認められています。

 一方、SBIの人傷基準ではどうでしょうか。住宅改造費は500万円が限度で、介護料は月額20万円が限度です、日額ではありません。やはり訴訟基準には遠く遠く及びません。

 このように、自動車保険を真剣に選ばないだけで、何千万円ものお金を損してしまう可能性があるわけです。


◆どういった自動車保険を選ぶべきか

 さて、私は次回更新でSBIの自動車保険とお別れするわけですが、次に選ぶ自動車保険は次の基準に沿って選びたいと思います。

 1.対人対物無制限

 2.人身傷害1億円以上(なるべく無制限)

 3.訴訟基準を全額認めてくれる

 4.後遺障害時の倍額条項がある

 5.1~4を備える最も安い保険

 具体的にどの自動車保険を狙っているのか書きたいところですが、まだ深くは検討しておらず、書くに書けない状況です。

 皆様の自動車保険選びの一助になれば幸いです。


※SBI損保の自動車保険約款は2015年4月改訂版を参考にした。



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