旧キュアから大きなパワーアップを成し遂げた新キュアとは対照的に、新キュアレディは微妙なパワーアップに止まっています。

 特に、旧キュアレディの記事で指摘した 『女性特定疾病を保障する必要性は低い』 という最大のデメリットが、新キュアレディに至っても健在なのが最悪です。


◆保障内容と保険料

 入院給付金(女性特有疾病・がん):日額10,000円
 入院給付金(上記以外):日額5,000円
 1入院の支払限度日数:60日
 通算支払限度日数:1,000日
 手術給付金:入院10万円、外来5万円
 先進医療給付金:通算2,000万円まで
 保障期間:終身
 月額保険料:2,811円(30歳女性、60歳払済)

◆女性特定疾病保障は絶対に要らない

 新キュアレディ最大の特徴は 『女性特定疾病』 と呼ばれる甲状腺疾患、乳房・女性性器疾患、妊娠・産じょくの合併症(単体自然分娩を除く)に対する保障です。この保障こそ、『女性向け』 とか、『女性専用』 とか言われる所以です。

 しかし、この最大の特徴こそが、最大のデメリットなのです。

 ダメ保険=旧キュア・レディで指摘したように、女性特定疾病を他の疾病よりも手厚く保障する必要なんてありません。

 以下、同記事の焼き直しですが、最新のデータを基に考察します。


◆女性特定疾病だと、医療費が高額なのか

 女性特定疾病だろうと何だろうと、医療費の上限は高額療養費制度によって決まっています。

 よって、少なくとも医療費の観点からは、女性特定疾病だけを特別視して保障する必要なんてありません。


◆でも、入院日数が長いかもしれない

 医療費の観点から女性特定疾病に対する保障が不要でも、入院期間が長いなら女性特定疾病の保障は必要と言えるかもしれません。

 そこで、平均入院日数を見てみましょう。

 女性の平均入院日数は34日です。一方、女性特定疾病は、甲状腺疾患が17日、乳房・女性性器疾患が6日、妊娠・産じょくの合併症が11日となっています。

 全疾病の平均すら上回らないような女性特定疾病を、どうして手厚く保障しなくてはならないのでしょうか。

 仮に平均を大幅に引き上げている精神疾患を平均入院日数の算出から除いてみても、平均は27日なので、相変わらず女性特定疾病を手厚く保障する必要性は感じられません。


◆でもでも、入院患者が多いかもしれない

 医療費と入院日数の観点から女性特定疾病に対する保障が不要でも、入院患者数が多いなら女性特定疾病の保障は必要と言えるかもしれません。

 そこで、患者数を見てみましょう。

 女性の退院患者のうち女性特定疾病が原因で入院していた患者割合は、7.6%です。低くはありませんが、高くもありません。

 しかし内訳は、甲状腺疾患0.2%、乳房・女性性器疾患1.5%、妊娠・産じょくの合併症5.9%となっており、妊娠・出産を終えた女性にとっては、女性特定疾病の保障は急激に薄っぺらになります。

 でも、妊娠・産じょくという一時期に関しては、患者数の多さから女性特定疾病の保障が必要と言えるかもしれません。

 しかし、ちょっと待って下さい。若い時の一時期を保障するために、その他のデメリットに目を瞑り、終身タイプの新キュアレディに加入する選択は合理的でしょうか。

 いやいや、若い時の一時期の保障なら、どう考えても定期タイプの一般的な医療保険で備えたほうが合理的です。

 結局、入院患者数の側面からも女性特定疾病を手厚く保障する必要性は見当たりません。


◆結論1:女性特定疾病を保障する必要はない

 以上のことから導き出される結論は、女性特定疾病を手厚く保障する必要はない、というシンプルなものです。


◆でもでもでも、がん保障が革新的かも

 今まで触れてきませんでしたが、女性特定疾病の中には、『がん』 も含まれています。そして、がんは保険が不要なわけではありません。

 しかし、新キュアレディのがん保障は、入院保障に力を置いており、使い勝手が悪いのです。がん治療は、今や通院のほうが多いのにも関わらずです。革新的どころかデメリットです。

 基本保障の入院給付金は、入院しなければ貰えません。特約の診断給付金も入院しなければ2回目以降が受け取れません。同じく特約の通院給付金も入院しなければ貰えません。

 しかも通院給付金は、退院後1年以内で60日限度といった制約が付いており、最悪です。長期間の通院治療には全く歯が立ちません。

 抗がん剤は研究開発費がかさむので高額です。そんな抗がん剤を通院でも使うのに、どうして、こんな薄い保障で満足できるでしょうか。


◆結論2:単品がん保険のほうが良い

 がん保障に関する以上のことから導き出される結論は、新キュアレディでがんを保障するぐらいなら、一般的な医療保険と、自分のニーズに合致したがん保険に単品加入したほうが良い、というものです。


◆まとめ:新キュアレディに加入する理由は、ない!

 基本の医療保障も、おまけのがん保障も微妙な新キュアレディに加入すべき理由なんて微塵もありません。

 そして、新キュアレディの何が 『女性専用』 なのか分かりません。女性ウケや新たな需要層を狙って、 『女性専用』 を冠したいがために、無駄な保障を付けているとしか思えません。

 
◆おまけ:旧キュアレディとの比較

 新キュアレディは、旧キュアレディよりも手術給付金が小幅強化され、先進医療保障額が倍増しました。

 しかも保険料は、30歳女性(60歳払済)の場合で、月額50円安くなりました。

 まず、手術給付金については、88種保障型から公的保険連動型となったので、旧キュアレディよりも給付金を貰える場合が増えました。

 ただ、1000の手術保障に騙されるなで書いたとおり、これは私から見れば改悪でしかありません。

 一方、先進医療保障額の倍増は旧キュアレディから改善です。現時点の先進医療の料金を見ると2,000万円は過大保障に思えますが、将来のことは分かりませんからね。



参考資料:平成23年患者調査(厚労省)



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