がん治療において金銭的に最も恐い事態とは何でしょうか。言い方を換えると「保険で備える必要性が高い事態」とは何でしょうか。「長期にわたる治療」も挙げられますが、「未承認薬を使用する場合」も忘れてはなりません。がん保険の加入を考える場合、「未承認薬を使用する場合」について考えておくことは重要といえます。

 まず「未承認薬を使用する場合」の何が問題なのでしょうか。それは、未承認薬には公的保険が使えず自由診療となるため、月に数万~数十万円すると言われる薬代はもちろんのこと、検査費用までも全額自己負担になってしまうことです。効果が続く限り毎月数十万円を必要とする事態は、保険に頼る必要性が高いでしょう。

 さらに、がん治療における未承認薬の使用率は「ガン保険に入るなら(自由診療と先進医療)」で示したとおり、全疾病の中でがんで使用する可能性が一番高いのです。このことからも、がんについて未承認薬を含む自由診療を保障する意義は大きいといえるでしょう。

 このように高額な治療費を要する可能性の高い「未承認薬を使用する場合」までをも保障する保険というのが「メディコム」なのです。保障内容は次のとおりです。

診断給付金:100万円(3年毎、複数回)
入院保障:治療費を無制限保障
通院保障:治療費を1000万円まで(更新すると回復)保障
保障期間:5年
月額保険料:1,430円(30歳男性)、4,460円(50歳男性)、15,550円(70歳男性)


 最低でも5年間で1000万円保障してくれるので安心です。一般的ながん保険では、一般的ながん治療には対応できます。しかし、公的保険が適用される治療ならば、1ヶ月の治療費は最大でも8万円、さらに4ヶ月目からは4万円に低減されます。可能性は低くとも「保険」がなければ死活問題となりかねない「未承認薬を使用する事態」にこそ「保険」が必要ではないのでしょうか。

 ただ、「メディコム」はその手厚い保障と定期保険であるが故に保険料が高く、高齢まで契約し続けることは難しいでしょう。しかし、高齢になってまで保障が必要でしょうか。若い時は、子育て中であったり、社会で何ら活躍できていなかったり、まだ生きたいという気持ちが強かったりして、緩和ケアは望まずに、それこそ未承認薬の使用などあらゆる手を尽くして闘病する道を選択するでしょう。

 一方、高齢になればどうでしょうか。辛い闘病生活は選ばず、緩和ケアを選択する余地が広がりますし、そもそも体力が低下しており、大手術や長期の抗がん剤治療は難しく、それに連れて公的保険適用の抗がん剤を利用し尽くしてしまい、未承認薬に頼るという事態も想定し難くなります。

 また公的保険適用治療については、70歳以上になれば通院時の高額療養費制度が手厚くなるため、保険の必要性が低下します。入院については手厚くなりませんが、他の傷病による入院と比較してがん入院が多いわけではないので、入院が恐いならあらゆる傷病に対応可能な医療保険のほうがベターなので、がん保険の必要性は低下します。

 そして何より、高確率で起こる事柄に対して「保険」で備えることは難しいという点が挙げられます。生涯罹患率50%を誇る「がん」に対して高齢になってまで保険で備えるということは、夫婦でがん保険に入ったとしたら、確率的には、夫婦の総支払保険料と同額の保険給付金を夫婦の一方が受取る程度の備えにしかならないのです。

 ですから、罹患確率が低く保険料が安い働き盛りのときに限って、がん保険に加入するという選択こそが、一番「保険」としての意義は大きいのです。高齢になる頃には医療技術も進歩していますし、家計の具合と医療技術の趨勢をみながら加入継続か否か考えていくという選択は合理的と言えるのではないでしょうか。

(ここからは批判・要望になります。)
 「メディコム」は保険料の高さがネックです。もう少し保険料を抑えられるプランも示してもらいたいところです。

 例えば、「メディコム」は高額療養費制度を加味しないで保険金を支払う設計のため、手術などで100万円の医療費が発生した場合、自己負担分(3割)の33万円を支払ってくれます。しかし、実際の支払額は高額療養費制度によって8万円です。その差、25万円は自由に使える収入になるわけです。一見すると嬉しいですが、「嬉しい」部分に保険は不要です。「保険があって助かった」と思える部分に限った保障が望まれます。具体的には「公的保険治療については月に10万円までを限度に保障」などとしても良いところでしょう。

 また、診断給付金についても、金銭的に辛くなる長期治療をターゲットにして、初回給付はなくしても良いでしょう。他にも、公的保険部分は自分で何とかするとして、「自由診療だけ保障」という設計も大変魅力的です。個人的には「先進医療と自由診療だけ保障のがん保険」なんて出たら、契約したいものです。


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