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 ライフネット生命が販売する「働く人への保険(就業不能保険)」は、「就業不能という隠れたリスクを保障できて画期的だ」、「死亡時よりもむしろ就業不能状態こそが金銭的に負担が重く、保険が必要だ」などと賞賛の声が上がっていますが、契約すべきではありません。まずは保障内容と給付条件を確認しておきましょう。

就業不能給付金:月額10万円
月額保険料:1,946円(30歳男性)
保障期間:65歳まで
条件1:「入院」または「在宅療養」中であること。
条件2:ただし、精神障害、ムチウチ症や腰痛など医学的他覚所見がみられない傷病による入院・在宅療養でないこと。
条件3:少なくとも6か月以上いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態であること。

 
 「働く人への保険」最大の欠点は「条件2」、つまり「精神障害が保障外」という点です。理由は簡単、入院・在宅療養患者の多くは精神障害患者だからです。ではまず、「入院・在宅用要」のうち「入院」について考察しましょう。なお、短期入院を気にする必要はないので、長期入院患者に限って見てみます。

 長期入院患者が何の傷病で入院しているのかについては、「長期入院の確率と原因」で既に書きましたが、1年半超入院する20歳~59歳の男性患者のうちおよそ70%は「精神障害」による入院なのです。従って、残念ながら「入院」に関しては、「働く人への保険」は役立たないであろうと言わざるを得ません。

 では「在宅療養」はどうでしょうか。厚労省の「平成20年患者調査」によれば、「医師」や「看護師などの医師以外の者」から訪問診療(歯肉炎治療など歯科関係除く)を受けている20歳~60歳の在宅療養患者のうち、37%の患者は「精神障害」患者です。37%は決して少なくない数ですが、過半数には満たないので「働く人への保険」が「在宅療養」でも使い物にならないというのは早計かもしれません。

 しかし、この調査では長期間にわたって訪問診療を受けた患者数までは分からない点に注意が必要です。入院と同じように治療期間が長くなればなるほど、精神障害患者の割合が高まることが懸念されるのです。結局、「在宅療養」でも使いものにならない可能性が高いように思料されます。

 「長期入院」でも「在宅療養」でも精神障害患者がかなりの数を占めるというのに、その精神障害を対象外とする「就業不能保険」にどのような価値があるのでしょうか。ライフネット副社長のブログには、精神障害を除外する理由が以下とおり記述されています。

● うつ病など、精神疾患を対象外としているのは?

うつ病などの人が増えているのは理解しているのですが、いまは
・ 長期に渡って信頼できるデータがないこと(どんどん増えているので)
・ モラルリスク(精神疾患が心配な人ばかりがネット経由で大量に加入して、保険料算定の基礎が害されてしまう)を防ぐ確立した手立てがないこと

などから、発売当初は精神疾患を除外することにしました。しかし、社会的ニーズがあることは理解していますので、将来は、検討していきたいと思っています。


 リスクを取りたくないことは分かりますが、精神障害は是非とも対象にすべきです。上記で示した精神障害患者の多くは、日本国民の1%に原因不明で発症する統合失調症(精神分裂病)と診断された方々です。明日はわが身かもしれないのに、これを対象外にしては「就業不能保険」の活躍は名前に反して極めて限定的にならざるを得ません。

 よって、私は「精神障害」を対象外とする「働く人への保険」は契約すべきではないと考えるのです(「条件3」についても、いささか厳しすぎる条件なので不安がありますし。)。

 なお、「それなら就業不能状態には何で備えるべきなのか」については、あいおい生命の「総合収入保障保険」やソニー生命の「家族収入保障保険(生活保障特則付)」で死亡保障とともに備えるのが良いように思います(両保険とも精神障害は対象です)。

関連記事:長期入院の精神疾患患者は『社会的入院』なのか


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