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 (本記事は「新キュア」ではなく、過去に販売されていた「キュア」についての記事です。新キュアについては、こちらをご覧下さい。⇒新CURE(新キュア)は3大疾病の不安を煽りすぎ

 キュアは多くの方から支持されているようですが、契約すべきではありません。

 キュアに関しては、週間ダイヤモンドの「プロがお薦めできる医療保険」で4年連続1位を獲得したことが広く謳われていますが、ここでいう「プロ」とは「保険販売のプロ」であって、決して「加入者に最適な保険を提案するプロ」ではないことに気付いて下さい。まずは、保障内容を確認します。

 入院給付金:日額5,000円
 1入院の支払限度日数:60日・120日(7大生活習慣病は+60日)
 通算支払限度日数:1,000日
 手術給付金:10万円
 先進医療給付金:通算1,000万円まで
 保障期間:終身
 月額保険料:2,393円(30歳男性、60歳払済)


 さて、キュアの最大の欠点が「1入院の支払限度日数」です。60日や120日の保障では無意味なのです。医療保険で真に備えるべきは、あらゆる公的保障がなくなり、収入が完全に0となる長期入院です。詳しくは「医療保険に入るなら(1入院限度日数)」に記載しております。

 平均入院日数は30日程だから60日もあれば十分だと保険会社に洗脳されていませんか。平均は、あくまで平均です。年単位で入院する患者もいれば、他の病院に転院する患者や入退院を繰り返す患者もいます。しかし、平均入院日数の算定は転院時や再入院時には0からカウントし直しているのです。これでは、正確な平均入院日数など分かりません。

 しかも、医療保険は、退院後180日以内の入院は通算して計算するので、30日間入院後に退院して、病状が悪化して40日間入院した場合、70日分の給付金ではなく、支給限度の60日分しか給付金は貰えないのです。

 60日間入院したところで高額療養費制度があるため医療費は入院中の食事代を含め20万円ほどです。しかも、年次休暇や病気休暇、傷病手当金があるので収入の減少は1割程度です。60日間の入院に伴う出費程度を保険に頼る必要はありません。

 一方、1年間入院したら、医療費は入院中の食事代を含め80万円にのぼります。しかも、収入は、月収の6.6割が支給される傷病手当金金のみです。60日と1年間の入院、どちらの入院に備えて保険料を支払うべきかは明らかです。

 更に頼りの傷病手当金も1年半を超えて支給されません。つまり、1年半超の入院を万が一強いられた場合には、収入は0にもかかわらず、医療費・生活費を捻出せねばなりません。1年超の入院にこそ保険が必要だとは思いませんか。

 こんな60日や120日を保障する医療保険なんて、全く契約すには値しないのです。医療保険に加入するなら、長期間の入院に耐えうるものでなければ意味がありません。


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 女性特有の疾病を手厚く保障するとして人気を集める女性専用医療保険「キュア・レディ」ですが、契約すべきではありません。「女性専用」の名を冠して、新たな需要を喚起しようとする戦略が見え見えです。まずは、保障内容を確認します。

 入院給付金(女性特有疾病・がん):日額10,000円
 入院給付金(上記以外):日額5,000円
 1入院の支払限度日数:60日
 通算支払限度日数:1,000日
 手術給付金:10万円
 先進医療給付金:通算1,000万円まで
 保障期間:終身
 月額保険料:2,860円(30歳女性、60歳払済)


 さて、「キュア・レディ」最大の欠点は、通常の「キュア」と同じく「1入院の支払限度日数」ですが、そのことに関しては「ダメ保険―オリックス生命の「CURE(キュア)」」をご覧頂くとして、次点の欠点について述べていきたいと思います。その欠点とは「女性特有疾病だけ手厚くする必要がない」という点です。

 なお、「女性特有疾病」は、オリックス生命の約款に沿って、「甲状腺障害」、「乳房及び女性生殖器の疾患」、「妊娠、分娩及び産じょくによるもの(単胎自然分娩除く)」とします。また、乳がんや子宮頸がんは「女性特有疾病」とはせず、「がん」として後述します。

 では、「女性特有疾病だけ手厚くする必要がない」という点を、女性特有疾病は「入院治療費が高額なのか」、「患者数・平均入院期間・入院のしやすさはどうか」について考察します。

 まず、女性特有疾病は、それ以外の疾病に比べて入院治療費が高額なのでしょうか。

 答えはNOです。
どんな疾病であろうと高額療養費が適用され月々の治療費には上限があるので、女性特有疾病を他の疾病と切り分けて考える必要はありません。しかし、女性特有疾病について、患者数が多かったり、入院期間が長かったり、入院しやすいとなると手厚い保障が必要かもしれません。

 では、女性特有疾病の「患者数・平均入院期間・入院のしやすさ」はどうでしょうか。

 
まず、比較のために全疾病のそれぞれの数値を示すと「総患者数:3000万人、平均入院期間:37日間、入院のしやすさ(入院患者数÷総患者数):2.5%」となります。

 一方、女性特有疾病は「90万人、11日間、1.7%」です。患者数も全体の3%しかおらず、また、全疾病平均よりも入院は必要ありません。

 以上で明らかなように、女性特有疾病は、治療費が高額になるわけでもなく、患者数も少なく、全疾病平均よりも入院しなくて済むので手厚い保障は不要なのです。女性特有疾病保障の部分に保険料を払うべきではありません。

 では、「キュア・レディ」において、女性特有疾病と並んで手厚い入院保障がある、乳がんや子宮頸がんなどの「がん」についてはどうでしょうか。

 この答えは単純明快、がんが恐いなら「がん保険」に入ればよいでしょう。

 そもそも、がんは通院治療が増えています。それにもかかわらず、入院保障しかない時点で「キュア・レディ」は時代遅れです。勤労期の通院治療なら何とかなる場合もあるでしょうが、年金生活期の通院治療は厳しい事態が予想されます。「がん」保障の面でも「キュア・レディ」は、契約に値しないと思います。

 総括すると、「キュア・レディ」は、「1入院保障日数が60日と短いので無意味」、「女性特有疾病を手厚く保障する理由がない」、「がん保障が中途半端」という欠点を抱え、何が「女性のための保険」なのか疑わざるを得ない設計となっており、契約を勧める理由は何ら見当たりません。

関連記事:新キュアレディの女性疾病保障こそがデメリット


 バリアブルライフは、「1.運用に成功したら死亡保障も返戻金もグングン上がる」、「2.運用に失敗にしても最低死亡保障は受け取れる」、「3.死亡保障額の割に保険料が割安」として隠れファンが多いですが、契約すべきではありません。何故なら少なくとも私が知る限りアリコの「マイフューチャー」のほうが有利だからです。バリアブルライフに契約するぐらいなら、マイフューチャーに契約すべきです。まずは両保険を比較しましょう。

◆バリアブルライフ◆
 最低死亡保障:1,000万円
 月額保険料:19,190円(35歳男性、60歳払済)
 総払込保険料:575万円
 保障期間:終身
 最低保障利率:なし
 60歳時解約返戻金:381万円(毎年0.0%運用の場合)、614万円(同3.5%、返戻率107%)
 65歳時解約返戻金:325万円(同0.0%)、668万円(同3.5%、返戻率116%)


◆マイフューチャー◆
 最低死亡保障:1,000万円(円建保障)
 月額保険料:17,340円(35歳男性、60歳払済、円建払い、2011年7月契約の場合)
 総払込保険料:520万円
 保障期間:終身
 最低保障利率:3%
 60歳時解約返戻金:61,787ドル(556万円、返戻率107%、3%運用の場合)
 65歳時解約返戻金:70,415ドル(634万円、返戻率122%、同)
 ※為替レートは契約から解約まで「1ドル=90円」とする。


 以上のように、バリアブルライフが好まれる理由の3つ全てがマイフューチャーにも当てはまり、しかもマイフューチャーのほうが保険料にしても、返戻率にしても明らかに有利です。それでもバリアブルライフのほうが優れている点を挙げるとしたら、それはたった一つだけ、「運用で大成功したらマイフューチャーよりも死亡保障も返戻金も多くなる」という点でしょう。

 しかし、バリアブルライフで大成功できる可能性は僅かです。パンフレットなどには、毎年3.5%で運用できた場合、毎年7.0%で運用できた場合などと記載され、「もしかしたら自分も」という錯覚に陥りますが、毎年そんな運用益を出せたならば、プロ中のプロです。投資の素人が、ソニー生命の指定する限られた投資先の中で、毎年平均3.5%も稼げるとお思いですか。まず無理です。結局、死亡保障を貰える日をただただ待つことになります。

 しかも、仮に大成功を収めたとしても、株価や債券の利率が上昇する状況であれば、マイフューチャーの利率も少なからず上昇して大成功の恩恵を受けられる可能性が高いため、何もそこまで「大成功の夢」に固執する必要はないでしょう。

 そして、バリアブルライフにおけるマイナス運用のリスクも忘れてはなりません。バリアブルライフは利率について、最低保障がないためマイナス運用で返戻金が大幅に減ることも有り得ます(運用の責任を契約者に完全に負わすことで、保険料を下げているので当然ですが)。一方のマイフューチャーは、円ではなく米ドルですが、着実に3%のプラス運用がなされていきます。

 「どうせ死ねば定額の死亡保障が入るからマイナス運用でもプラス運用でも関係ない」とお考えなら大間違いです。人生何が起きるか分かりません、家族の誰かが、ガンを患う、長期入院する、リストラされるかもしれません。そして、まとまったお金が必要になるかもしれません。そんなとき、返戻金が「ある」と「ない」では大違いなのです。…もっとも「どうせ死ねば…」と考える時点で、保険料の安いほうの保険、つまりマイフューチャーに加入すべきですが。

 なお、マイフューチャーにおけるリスク、すなわち「保険料払込期間中の返戻率が抑えられている点」、「解約返戻金の受取に為替リスクがある点」、「解約返戻金を円に戻すときなどに諸費用が発生する点」には注意が必要です。ただ、どのリスクもバリアブルライフの運用失敗のリスクに比べれば小粒です。中でも最も敬遠されるであろう「為替リスク」については、ドルコスト平均法を踏まえれば少なくとも保険料払込期間中は、「大損」という事態は避けられる可能性が高いです。

 以上、両保険を比較しましたが如何でしょうか。私としては、両保険のリスクとリターン、安定性を考えた場合、「マイフューチャーではなくバリアブルライフに契約する」という結論は導けませんでした。


 ライフネット生命が販売する「働く人への保険(就業不能保険)」は、「就業不能という隠れたリスクを保障できて画期的だ」、「死亡時よりもむしろ就業不能状態こそが金銭的に負担が重く、保険が必要だ」などと賞賛の声が上がっていますが、契約すべきではありません。まずは保障内容と給付条件を確認しておきましょう。

就業不能給付金:月額10万円
月額保険料:1,946円(30歳男性)
保障期間:65歳まで
条件1:「入院」または「在宅療養」中であること。
条件2:ただし、精神障害、ムチウチ症や腰痛など医学的他覚所見がみられない傷病による入院・在宅療養でないこと。
条件3:少なくとも6か月以上いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態であること。

 
 「働く人への保険」最大の欠点は「条件2」、つまり「精神障害が保障外」という点です。理由は簡単、入院・在宅療養患者の多くは精神障害患者だからです。ではまず、「入院・在宅用要」のうち「入院」について考察しましょう。なお、短期入院を気にする必要はないので、長期入院患者に限って見てみます。

 長期入院患者が何の傷病で入院しているのかについては、「長期入院の確率と原因」で既に書きましたが、1年半超入院する20歳~59歳の男性患者のうちおよそ70%は「精神障害」による入院なのです。従って、残念ながら「入院」に関しては、「働く人への保険」は役立たないであろうと言わざるを得ません。

 では「在宅療養」はどうでしょうか。厚労省の「平成20年患者調査」によれば、「医師」や「看護師などの医師以外の者」から訪問診療(歯肉炎治療など歯科関係除く)を受けている20歳~60歳の在宅療養患者のうち、37%の患者は「精神障害」患者です。37%は決して少なくない数ですが、過半数には満たないので「働く人への保険」が「在宅療養」でも使い物にならないというのは早計かもしれません。

 しかし、この調査では長期間にわたって訪問診療を受けた患者数までは分からない点に注意が必要です。入院と同じように治療期間が長くなればなるほど、精神障害患者の割合が高まることが懸念されるのです。結局、「在宅療養」でも使いものにならない可能性が高いように思料されます。

 「長期入院」でも「在宅療養」でも精神障害患者がかなりの数を占めるというのに、その精神障害を対象外とする「就業不能保険」にどのような価値があるのでしょうか。ライフネット副社長のブログには、精神障害を除外する理由が以下とおり記述されています。

● うつ病など、精神疾患を対象外としているのは?

うつ病などの人が増えているのは理解しているのですが、いまは
・ 長期に渡って信頼できるデータがないこと(どんどん増えているので)
・ モラルリスク(精神疾患が心配な人ばかりがネット経由で大量に加入して、保険料算定の基礎が害されてしまう)を防ぐ確立した手立てがないこと

などから、発売当初は精神疾患を除外することにしました。しかし、社会的ニーズがあることは理解していますので、将来は、検討していきたいと思っています。


 リスクを取りたくないことは分かりますが、精神障害は是非とも対象にすべきです。上記で示した精神障害患者の多くは、日本国民の1%に原因不明で発症する統合失調症(精神分裂病)と診断された方々です。明日はわが身かもしれないのに、これを対象外にしては「就業不能保険」の活躍は名前に反して極めて限定的にならざるを得ません。

 よって、私は「精神障害」を対象外とする「働く人への保険」は契約すべきではないと考えるのです(「条件3」についても、いささか厳しすぎる条件なので不安がありますし。)。

 なお、「それなら就業不能状態には何で備えるべきなのか」については、あいおい生命の「総合収入保障保険」やソニー生命の「家族収入保障保険(生活保障特則付)」で死亡保障とともに備えるのが良いように思います(両保険とも精神障害は対象です)。

関連記事:長期入院の精神疾患患者は『社会的入院』なのか


 がん治療において金銭的に最も恐い事態とは何でしょうか。言い方を換えると「保険で備える必要性が高い事態」とは何でしょうか。「長期にわたる治療」も挙げられますが、「未承認薬を使用する場合」も忘れてはなりません。がん保険の加入を考える場合、「未承認薬を使用する場合」について考えておくことは重要といえます。

 まず「未承認薬を使用する場合」の何が問題なのでしょうか。それは、未承認薬には公的保険が使えず自由診療となるため、月に数万~数十万円すると言われる薬代はもちろんのこと、検査費用までも全額自己負担になってしまうことです。効果が続く限り毎月数十万円を必要とする事態は、保険に頼る必要性が高いでしょう。

 さらに、がん治療における未承認薬の使用率は「ガン保険に入るなら(自由診療と先進医療)」で示したとおり、全疾病の中でがんで使用する可能性が一番高いのです。このことからも、がんについて未承認薬を含む自由診療を保障する意義は大きいといえるでしょう。

 このように高額な治療費を要する可能性の高い「未承認薬を使用する場合」までをも保障する保険というのが「メディコム」なのです。保障内容は次のとおりです。

診断給付金:100万円(3年毎、複数回)
入院保障:治療費を無制限保障
通院保障:治療費を1000万円まで(更新すると回復)保障
保障期間:5年
月額保険料:1,430円(30歳男性)、4,460円(50歳男性)、15,550円(70歳男性)


 最低でも5年間で1000万円保障してくれるので安心です。一般的ながん保険では、一般的ながん治療には対応できます。しかし、公的保険が適用される治療ならば、1ヶ月の治療費は最大でも8万円、さらに4ヶ月目からは4万円に低減されます。可能性は低くとも「保険」がなければ死活問題となりかねない「未承認薬を使用する事態」にこそ「保険」が必要ではないのでしょうか。

 ただ、「メディコム」はその手厚い保障と定期保険であるが故に保険料が高く、高齢まで契約し続けることは難しいでしょう。しかし、高齢になってまで保障が必要でしょうか。若い時は、子育て中であったり、社会で何ら活躍できていなかったり、まだ生きたいという気持ちが強かったりして、緩和ケアは望まずに、それこそ未承認薬の使用などあらゆる手を尽くして闘病する道を選択するでしょう。

 一方、高齢になればどうでしょうか。辛い闘病生活は選ばず、緩和ケアを選択する余地が広がりますし、そもそも体力が低下しており、大手術や長期の抗がん剤治療は難しく、それに連れて公的保険適用の抗がん剤を利用し尽くしてしまい、未承認薬に頼るという事態も想定し難くなります。

 また公的保険適用治療については、70歳以上になれば通院時の高額療養費制度が手厚くなるため、保険の必要性が低下します。入院については手厚くなりませんが、他の傷病による入院と比較してがん入院が多いわけではないので、入院が恐いならあらゆる傷病に対応可能な医療保険のほうがベターなので、がん保険の必要性は低下します。

 そして何より、高確率で起こる事柄に対して「保険」で備えることは難しいという点が挙げられます。生涯罹患率50%を誇る「がん」に対して高齢になってまで保険で備えるということは、夫婦でがん保険に入ったとしたら、確率的には、夫婦の総支払保険料と同額の保険給付金を夫婦の一方が受取る程度の備えにしかならないのです。

 ですから、罹患確率が低く保険料が安い働き盛りのときに限って、がん保険に加入するという選択こそが、一番「保険」としての意義は大きいのです。高齢になる頃には医療技術も進歩していますし、家計の具合と医療技術の趨勢をみながら加入継続か否か考えていくという選択は合理的と言えるのではないでしょうか。

(ここからは批判・要望になります。)
 「メディコム」は保険料の高さがネックです。もう少し保険料を抑えられるプランも示してもらいたいところです。

 例えば、「メディコム」は高額療養費制度を加味しないで保険金を支払う設計のため、手術などで100万円の医療費が発生した場合、自己負担分(3割)の33万円を支払ってくれます。しかし、実際の支払額は高額療養費制度によって8万円です。その差、25万円は自由に使える収入になるわけです。一見すると嬉しいですが、「嬉しい」部分に保険は不要です。「保険があって助かった」と思える部分に限った保障が望まれます。具体的には「公的保険治療については月に10万円までを限度に保障」などとしても良いところでしょう。

 また、診断給付金についても、金銭的に辛くなる長期治療をターゲットにして、初回給付はなくしても良いでしょう。他にも、公的保険部分は自分で何とかするとして、「自由診療だけ保障」という設計も大変魅力的です。個人的には「先進医療と自由診療だけ保障のがん保険」なんて出たら、契約したいものです。


 がん保険に関しては、入院治療にも通院治療にも対応でき、かつ、治療が超長期間にわたった場合にも対応可能なことが重要です。その点、この「がんベスト」は比較的よくできています。まずは、保障内容を、管理人オススメ設計とともに確認します。

診断給付金:100万円(複数回)
先進医療特約:1回あたり最高500万円、通算1,500万円
その他の特約:入院保障など付けられるが「全て不要」
保障期間:終身
年間保険料:16,120円(30歳男性終身払。先進医療特約分除く)
年間保険料:20,530円(30歳男性60歳払済。先進医療特約分除く)


 ご覧のとおりのシンプル設計です。これで十分です。

 まず、診断給付金ですが、がんベストの特色は2回目以降の給付条件です。この特色ある条件と言うのが、「2年後に入院か通院でがん治療をしていれば給付される」ということです。「他の保険と何が違うのか」と思われるかもしれませんが、他の保険では「通院治療は対象外(入院が必要)」や「初回のガンが2年間治らないだけでは対象外(再発転移が必要)」としている場合が多く、いざという時に保障されない可能性があるのです。

 100万円という額については、高額療養費制度を踏まえると2年間の総医療費が概ね100万円だからです。医療費は保険で賄い、収入の減少や支出の増加は貯蓄でカバーと考えています。

 次に、入院保障ですが、これは要りません。通院治療が増える中、がんに罹患するかも分からない中、入院保障のみ別枠で保障して、保険料を上げるべきではありませんし、数多くある疾病のうち、がんによる入院が特に多いわけでもないのに、がんのみを特別に保障する意義がありません。入院を保障したいなら医療保険で、あらゆる疾病に備えたほうが合理的です。

 手術保障についても、がん治療で問題なのは薬価の高い抗がん剤治療が続くことであって、手術に対する保障は余分です。

 先進医療特約は、先進医療を利用する機会は極めて少ないものの、利用する場合には高額な料金が発生し、また、先進医療を利用する疾病の大半ががんによるものなので、付加します。保険料も格安なので、必要です。ただし、医療保険の先進医療保障のほうが、がん以外も対象なので、医療保険に加入する場合はそちらで付加して下さい。

 いかがでしょうか。「がんベスト」は、巷で喧伝されているように、給付を診断給付金に限って、必要不可欠とは言えないその他無駄な特約を排除し、保険料を抑えた点が評価できます。ただし、「がんベスト」1本では手厚い保障が必要な子育てやローンを抱える働き盛りの時期に対応しきれませんので、働き盛りの時期に限って、別途定期型のがん保険に加入する必要性があるでしょう。

(ここからは批判になります。)
 「がんベスト」に限りませんが、終身型がん保険は費用対効果がとても悪いです。30年間で60万円(60歳払済)も払って、受取れても100万、200万円程度では、「保険」としての意義が低いです。やはり高確率で訪れる事態に対し保険で備えることは、分が悪いのです。無駄に手術や入院保障がある他のがん保険よりは余程マシですが、契約する気にはなれません。定期のがん保険のほうが保険としての意義が高いように思います。

 また、これも多くのがん保険に共通することですが、軽微ながんに対する保障が余計です。例えば、1ヶ月で完治する軽微ながんに罹患した場合、100万円も要りません。今後、医療技術の向上と相まって「がん診断確定後、1年経っても治療中であれば給付金を支給する」などとして保険料を安くしたものが発売されたら、この保険は陳腐化することでしょう。


 ネット生保で有名なアクサダイレクト生命が販売する「カチッと終身がん」ですが、これはダメ保険です。何がダメかと言うと、通院治療に対応できない点がダメです。まずは保障内容をご確認下さい。

保障期間:終身
保険料払込期間:終身
診断給付金:100万円(1回限り)
入院給付金日額:1万円
手術給付金(オプション):10万円
退院給付金(オプション):10万円
先進医療保障(オプション):500万円まで
月額保険料:1,220円(30歳男性。オプション抜き)
月額保険料:1,660円(30歳男性。オプション込み)


 このように、保険料は安いものの入院時の保障が満載で、通院時に使える保障は一度しか貰えない診断給付金ぐらいです。それではまず、本当に通院患者が多いのか明らかにしましょう。
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※ 調査年の特定日において、入院している又は通院治療を受けたがん患者の推計数。
※ 出典:厚労省の「患者調査」。

 ご覧のように、通院患者は入院患者に比べて少ないわけでもなく、近年では入院患者よりも通院患者のほうが多くなっているのです。また、同調査に基づいて平成20年のある特定日における初診通院患者と入院初日患者の数を比べても、初診通院患者の15,800人に対し、入院初日患者は7,100人となるため、通院患者のほうが多いのです。それにも関わらず、「カチッと終身がん」は通院治療を保障しません。

 では、次に通院治療は、保険で備える必要があるのか考察します。まず、がんの治療費は、NPO法人が運営する「がん治療費.com」を見れば明らかなとおり、抗がん剤に要する治療費が大部を占めます。そして、抗がん剤治療は通院でも使用しますので、「通院なら負担が軽い」とは言えません。

 確かに、通院治療であれば、仕事を続けられる可能性も高く、また、老後においても高額療養費制度による助成が大きくなるため負担は軽減されます。しかし、「ガン保険はやや不要(年齢・治療形態別の考察)」で考察したとおり、がんにのみ入院保障を手厚くする必要性は低く、むしろ抗がん剤治療という高額治療に対応できる通院に保障が必要でしょう。

 以上のとおり、がん治療において通院治療の保障は重要であるにもかかわらず、「カチッと終身がん」において通院治療に使える保障は、診断給付金ぐらいのものです、しかも1回しか受け取れません。これが複数回ならまだマシだったのですが、残念です。通院治療に対応できない「カチッと終身がん」は、ダメ保険と言わざるを得ません。


 明らかにセコム損保のメディコムを意識した新たながん保険がSBI損保から発売されました。公的保険が利用できず、治療費全額が自己負担になる自由診療を保障するので、メディコムと同様、大変有用だと思います。具体的な保障は次のとおりです。

診断給付金:100万円(2年毎、複数回)
入院保障:治療費を無制限保障
通院保障:治療費を1000万円まで(更新すると回復)保障
保障期間:5年
月額保険料:970円(30歳男性)、3,330円(50歳男性)、12,570円(70歳男性)



 一見するとメディコムよりも、保障が厚くて(メディコムは診断給付金の支給が3年毎)、しかも保険料が安い(メディコムは30歳男性で1,430円/月)と思ってしまいますが、メディコムと同様の保障だと安易に捉えてはいけません。

 保険は「同一保障なら同一保険料」が原則です。SBIは「ネット専業で値段を抑えた」と記載していますが、その程度の企業努力で保険料が30%も安くなる(30歳男性の場合)わけがありません。それにメディコムもネット販売をしておりますし。

 これ程の保険料の差が生まれるのは、保障内容が異なるからに他なりません。SBIのほうが保険料が安い分、2回目以降の診断給付金を貰う条件が厳しく、治療費の保障も高額療養費制度を加味した実際の治療費分しか支払われないのです(詳しくは「SBIのがん保険」と「メディコム」の比較にて)。

 2回目以降の診断給付金支給条件が厳しくした点は、あまり評価できません。なぜならば、長期間の療養が必要で金銭的不都合に見舞われやすい患者にこそ保険による恩恵が大きくて然るべきだと考えるからです。

 治療費の保障が高額療養費制度を利用した場合の実質負担額と同額だという点は、評価できます。むしろ実費保障を謳いながら、実際に支払った治療費相当額以上を受け取れるメディコムが不思議でなりません。

 減収や雑費には使途の自由な診断給付金があれば十分ではないでしょうか。ですから、この点に関してはメディコムよりもSBIのほうが優れていると思うわけです。

 以上で指摘したとおり、診断給付金についてはメディコムのほうが良いが、治療費保障ではSBIのほうが良いということになり、お互い片腹痛しということで、甲乙つけ難い状態です。
 
 
 (ここからは批判になります。)

 診断給付金の支給は初回0円で2年経過後に100万円なりを支払ってもらいたいものです。

 がん保険の販売側は診断給付金が大好きです。がんに恐れおののき、がんになっただけで多額の治療費・雑費が必要と思っている人が数多く存在するため、診断給付金を掲げて消費者ウケが良い保険を設計していると考えられます。

 しかし、がんにも軽重があり、1回の手術と数回の抗がん剤治療で治る場合もあれば、数年にも及ぶ高額な抗がん剤治療が続く場合もあります。このうち、軽いがんに対してまで診断給付金は必要でしょうか。

 短期間のうちに治療が集中しても高額療養費制度によって、負担はたかが知れています。一方、長期間にわたって治療費が必要になる場合には減収や治療費の負担が、治療期間に比例して重くのしかかって来ます。重いがんをターゲットにした給付金の支給が望まれます。


【追記】 診断給付金を外せる設計になって、使い勝手が大変良くなりました。詳しくは『最悪のがんに備えるなら『SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)』をご覧下さい。


 SBI損保の「がん保険(自由診療タイプ)」とセコム損保の「メディコム」は実に似ています。それにも関わらずSBIのほうが保険料が安いので、SBIに飛びついてしまいたくなります。しかし、中身に深く切り込んでいくと違った認識を持つことになります。まずは、両保険の保障内容を確認しましょう。

◆SBI損保の「がん保険(自由診療タイプ)」◆

診断給付金:100万円(2年毎、複数回)
入院保障:治療費を無制限保障
通院保障:治療費を1000万円まで(更新すると回復)保障
保障期間:5年
月額保険料:970円(30歳男性)、3,330円(50歳男性)、12,570円(70歳男性)



◆セコム損保の「メディコム」◆

診断給付金:100万円(3年毎、複数回)
入院保障:治療費を無制限保障
通院保障:治療費を1000万円まで(更新すると回復)保障
保障期間:5年
月額保険料:1,430円(30歳男性)、4,460円(50歳男性)、15,550円(70歳男性)



 パッと見は診断給付金の2回目以降の経過年数条件以外に差はないように思われますが、それ以外に異なる点が大きく2点があります。

 1点目の違いは、2回目以降の診断給付金の受取条件です。メディコムは、初回の給付金受取後、3年経っても体にがんがあれば再度受け取れます。初回給付金受取時のがんが3年間治らなかった場合はもちろん、初回のがんは治ったが再発や転移で初回給付金受取後3年経過時点で未だにがんが体に残っている場合も保障されます。

 一方のSBIでは、初回給付金の受取から2年経過した後に発生したがんでなければ保障されません。2年間初回のがんが治らない場合はもちろん、2年経過の一日前に再発や転移した場合も給付金は支給されません。

 パッと見では、3年毎のメディコムよりも2年毎のSBIのほうが有利な気がしてしまいますが、実際は違うのです。

 2点目の違いは、治療費の保障額です。100万円の治療費がかかった場合、患者の負担は通常3割(33万円)です。しかし、実際は高額療養費制度があるので8万円程となります。

 この治療費を100万円要した場合において、メディコムでは33万円が支払われますが、SBIでは8万円程しか受け取れないのです。この説明に関しては、各HPのQ&Aに詳しいので掲載します。

◆SBI損保の「がん保険(自由診療タイプ)」◆

Q:公的医療保険制度から高額療養費や附加給付を受け取れる場合、SBI損保のがん保険から支払われる保険金はどうなりますか?

:がん入院保険金やがん通院保険金は、がんの治療のために生じた治療費用から公的医療保険制度にて保障されるべき金額を差し引いて保険金をお支払いします。高額療養費や附加給付から支払われる金額は、この公的医療保険制度にて保障されるべき金額に該当するため、重複して支払われません。



◆セコム損保の「メディコム」◆

:健康保険等(公的医療保険)から高額療養費や附加給付が支払われる場合は、メディコムの保険金はその部分も重複して支払われますか?

:「ガン入院保険金」「ガン外来保険金」は、高額療養費や附加給付等の有無には関係なく、通常3割の一部負担金相当額をお支払いします。



 ここまで読めば、SBIの保険料が安い理由が分かることでしょう。そうです。パッと見は似たような保障ですが、実際はSBIのほうが保障が薄く、メディコムのほうが保障が手厚いから、保険料に差が出ているに過ぎないのです。

 どちらが優れているかは、判断が難しいところです。治療が長期間にわたって家計が厳しくなる事態に対して優れているのはメディコムです。しかし、がんに罹患するかどうかは分からないから保険料を抑えたい。減収や雑費分は何とかするから、治療費だけは賄ってもらいたい。そんな思いに応えるのはSBIです。


 三井住友海上あいおい生命の「 総合収入保障保険 」は、一般的な生命保険が保障する死亡・高度障害のみならず、高度障害に一歩及ばない特定障害や要介護状態も保障してくれる点に魅力があります。

 まずは保障内容を確認しましょう。

 被保険者:30歳男性
 死亡・高度障害時保険金:月額20万円
 特定障害・要介護時保険金:月額20万円
 保険金支払保証期間:5年
 保障期間・保険料払込期間:60歳まで
 月額保険料:6,529円(SD非喫煙者優良体割引後)
 (参考 通常の収入保障保険に同条件で加入すると月額4,951円)
 備考:各保険金は重複して支払われない。


 さて、通常の収入保障保険に加入するよりも1.3倍も多くの保険料を支払うこととなる総合収入保障保険ですが、果たして加入する必要性は高いのでしょうか。

 そもそも一般の生命保険に加入する理由は、遺族年金だけでは生活が苦しいからです。そうであれば、障害年金だけで生活することが苦しいのであれば、この保険に加入する必要性は高いと言えます。

 それでは、妻と子1人を持つ夫が死亡した場合と障害等級1級に該当した場合における遺族年金と障害年金の額を確認しましょう。

 なお、この夫は、標準報酬額(厚生年金保険の加入期間全体で計算したボーナスを含めた税引前平均月収)が30万円で、厚生年金保険の加入期間が300月(加入期間が300月に満たなくとも、最低保障として300月で計算される)であるものとします。

◆遺族年金◆
基礎年金:101万円
厚生年金:39万円
年金受取総額:140万円

(子が18歳に達した場合)
基礎年金:0円
厚生年金:39万円
中高齢加算:59万円
年金受取総額:98万円


◆障害年金◆ 
基礎年金1級:121万円
厚生年金1級:88万円
年金受取総額:209万円
(特別障害者手当(障害が特に重度の場合に受給可):32万円)

(子が18歳に達した場合)
基礎年金1級:98万円
厚生年金1級:88万円
年金受取総額:186万円


 この時点では、障害年金のほうが手厚いですが、多くの方は死亡保険に加入しており、収入保障保険であれば少なくとも月々10万円は受け取れる契約ではないでしょか。そうであれば、遺族年金140万円に加え、民間死亡保険から120万円が受給できることになります。

 遺族年金に120万円のプラスが生じたことによって、障害保障よりも死亡保障のほうが手厚くなりました。この時点で既に、夫が障害1級の働けない状態で収入が0であれば、少なくとも死亡保障と障害保障との差額を民間保険で備える必要性が生じました。

 しかし、これで終わりません。妻の就業形態も考慮する必要があります。夫の死亡時は、妻は子供を保育園に預けてフルタイムで働けます。一方、夫が障害時は、子供を保育園に預けたとしても夫の介護が必要になり、フルタイム勤務して業者や親族に介護を頼むか、短時間労働にして自身で介護する必要があるでしょう。

 さらに、住宅ローンを組んでいる場合には、死亡や高度障害時とは異なり、ローン支払という思い負担が圧し掛かります。

 妻の就業形態や住宅ローンを踏まえて考えると、死亡保障に比べて障害保障を軽んじる理由はないように思います。

 また、公的介護保険は、40歳未満は障害や要介護状態になっても利用できず、40歳から65歳についても要介護状態になりやすい十数種類による疾病によって要介護状態となった場合しか保障されません。

 私は、以上のような民間保険が強く必要と思われる障害状態や要介護状態について、死亡保障の1.3倍という決して高額過ぎない保険料で備えられる総合収入保障保険は有用な保険だと考える次第です。

 また、高度障害保障だけではダメなのか、本当に特定障害まで保障する必要があるのか、とお考えの方は、「高度障害、特定障害、要介護の違い」をご覧ください。私も初めはそのように思い考えました。


(ここからは批判になります)
 総合収入保障保険は、かなり良い保険だとは思うものの、欲を言えば40~64歳時の特定障害・要介護状態の保障を減らして、保険料を抑えてもらえると、更に良くなりそうです。

 なぜならば、40歳未満は公的介護保険の対象外なので手厚い保障が必要ですが、40歳以上になれば障害年金プラス公的介護保険の保障があるため、その分保障は少なくて済むからです。

 40~64歳時の保障を、公的介護保険の対象外の障害状態・要介護状態では満額支給、公的介護保険の対象となる場合には半額支給などとなると、良かったのに…と思います。