死亡保険金って、いざ死亡したときに本当に支払われるのか心配ではありませんか。

 180人に1人は死亡保険金の支払いを拒否されますが、心配ではありませんか。

 保険会社の口実はこうです。

 「保険加入時の告知に不正が発覚したので保険金は払わない」

 「その死亡は免責事由に該当するのでダメです」

 「その死因は支払事由に該当しませんよ」

 振り返ってみれば保険の加入申告では、求められている受診歴全てを漏らさず書くことは記録をマメに付けている人しか適いませんし、販売員の「それは書かないでOK」との口頭文句を信用しますし、私も怖さを感じます。

 ならばこそ、死亡保険金の支払い時に厳しい調査が行われるがために拒否件数が多い保険会社は避けたくなるのが心情です。


◆支払いが拒否される事由

 まずは、死亡保険金の支払いが拒否される事由を知っておきましょう。主なものは3つです。

 まず、告知義務違反です。入院・通院歴があるのに隠したり忘れていたり、がんに罹患しているのに隠して告知したりです。

 そして、免責事由です。典型的なものは保険加入後3年以内の自殺です。保険金目的の殺人も含まれます。

 最後に、支払事由非該当です。保険契約を結ぶ前から発症していた傷病によって死亡した場合です。

 件数的には、免責事由>>>告知義務違反>>>>支払事由非該当といった感じです。


◆死亡保険金の支払い拒否率ランキング

 それでは、死亡保険金の申請者1000人当たり、拒否されるのが何人なのか見てみましょう。

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◆三井生命かアフラックに加入したい

 これ程までに差があるとは思いませんでした。1位と最下位で140倍の差です。

 拒否率が著しく低い三井生命とアフラックが逆に心配になってきます。保険金の支払い時にきちんと調査しているのでしょうか。

 一方で、この二社は死亡保険金の支払件数が上位でもあります。他にも、日本生命や第一生命等の漢字生保やメットライフ生命も支払件数は高いのですが、拒否率は低い傾向があります。

 いずれにせよ、三井生命とアフラックはおかしい程に拒否率が低いため有望です。アフラックに至っては、通常最も拒否件数が多くなる「免責事由」がゼロ件となっており、理解に苦しみます。


◆拒否率が高いネット生保

 一方、ライフネット生命等のネット生保の拒否率は高いですね。

 支払件数自体が数十件しかない(件数トップの三井生命は5万件)ので、推移を見守りたいところですが、多いですね。

 ネット生保は、加入がネットのみで完結してしまうので、告知義務のハードルも低く感じてしまうのも要因でしょうか。

 しかし、これらの新興企業は全体の件数が少ないために1件の支払を拒否するか否かが業績上、重要な問題でしょうから、審査は厳しくて当然ですね。

 例えば、ライフネット生命の平成28年3月期決算は経常利益がマイナス4.7億円ですから、数千万円の保険金支払いが占める割合は大きくなります。


◆拒否率にこれ程の差が出る要因は?

 拒否率ランキングで各社にこれ程の差が出る要因は何でしょうか。

 私は仮説はこうです。終身型が多い保険会社は拒否率が低く、定期型が多い保険会社は拒否率が高いのではないか。

 ランキングを見て感じるのは、昔ながらの漢字生保は拒否率が低く、比較的新興のひらがな生保やカタカナ生保の拒否率が高いことです。

 また、漢字生保は大昔から保険事業を行っているが故に、死亡保険金支払件数のうち終身型が占める割合が高そうです。一方の新興生保は、歴史が浅いが故に、定期型の死亡保険金支払いが多そうです。

 終身型から保険会社が得る収益は、「実際の運用利回り」から「加入者に還元する配当等」を差し引いた部分です。従って、高齢になって亡くなる大多数の方に死亡保険金を支払ったところで既に十分な収益は得ているので問題ありません。

 仮に高齢者への支払いを拒否したところで、死亡保険金と同額近くにまで膨れ上がっている解約返戻金か既払込保険料全額は返さざるを得ないでしょうから、契約後早期に亡くなる極少数の人を除けば支払拒否のために要する調査コストはリターンに見合いません。

 一方、定期型は話が変わってきます。定期型は月額1000円の保険料で1000万円の死亡保険金が買えたりするので、1件の支払を拒否できれば保険会社としては万々歳です。

 従って、終身型が多い保険会社は拒否率が低く、定期型が多い保険会社は拒否率が高いのだと推察されるのです。


◆結局、この記事は誰得なのか?

 さてさて、どうしたものでしょう。

 何となく興味を持ったため調べた本件ですが、当然悪用のおそれが無きにしも非ずです。

 例えば、アフラックは自殺等に伴う免責事由による拒否がゼロ件ですから、一般的に自殺のおそれが高いとされる精神疾患患者が選好したくなりそうなものです。

 しかしながら、仮にそのような事態に至れば、当然アフラックも支払調査を強化するので、長期的にはアフラックを選好したところで得るものはありません。長期的には、ですが。

 このランキングは、次のようなケースにおいて健全に利用下さればと存じます。

 「通院歴や入院歴等の告知義務は当然完璧に果たすけれども、保険会社側からイチャモン付けられたくはないから、念のため支払拒否率が低い会社を知りたい。」

 「加入したい生命保険を2社まで絞った。しかし、三井生命(1位)とライフネット生命(最下位)のどちらを選べばよいのか判断できない!! 保障面でも保険会社の財務体質でも甲乙つけがたい。更なる比較情報は何かないのか!?」


【備考】
データは、各社のHPで掲載されている平成27年度下半期(同期間の掲載がなされていない等のため、三井生命、メットライフ生命、ライフネット生命及びメディケア生命は平成27年度全期、明治安田生命は平成28年度上半期)の「保険金等のお支払状況」を利用。



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