今回の記事は、我ながら良く出来ました。医療保険の検討に当たって最も必要なデータを分かりやすく提供できると思います!!


◆月間136万人の退院患者を100人に凝縮しよう

 日本では、一カ月に136万人が退院しています。年間1,600万人。人口の13%です。確率的には8年に一度はみんな入院してしまいますね。

 しかし、実際のところ、入退院を繰り返したり、転院したりする患者がダブルカウントされているので、入院確率はそこまで高くはないですけども。

 それはそれとして、もしこの136万人の退院患者を100人に縮めてみると何が見えてくるでしょうか。

 何日の入院で退院できたのか、どんな傷病で入院していたのか、退院後は家庭に戻れたのか等々、興味は尽きないばかりです。

 かなり重要な情報だと思いますので、ちょくちょくコメントを挟んでいきます。


◆軽度な入院がほとんどを占めている

男性が、49人です。
女性が、51人です。

⇒女性のほうが総人口多いですから。そりゃそうでしょう。


0~29歳が、13人です。
30~59歳が、22人です。
60歳以上が、64人です。

⇒高齢者は傷病リスク爆高ですね。そりゃそうでしょう。


16人は、ガンです。
13人は、脳梗塞や心不全などの循環器疾患です。
12人は、胃潰瘍や肝疾患などの消化器疾患です。
10人は、骨折や中毒などの外因の影響によるものです。
8人は、肺炎や喘息などの呼吸器疾患です。
5人は、関節症や骨密度などの筋骨格等の疾患です。
5人は、腎不全などの腎尿路疾患です。
4人は、白内障などの眼の疾患です。
3人は、アルツハイマーやパーキンソン病などの神経疾患です。
3人は、統合失調症やうつ病などの精神疾患です。

⇒29人の「三大疾病」恐るべし。
 71人の「三大疾病以外」はもっと恐るべし。
 「三大疾病だけ」の入院無制限保障の価値に疑問符。



退院までの平均入院日数は、32日です。
でも半数以上は8日以内に退院しました。

⇒平均を大きく見せる少数の存在に気付く。
 長期入院保障の必要性に胸がざわつく。
 一方、短期入院保障の必要性に疑問を抱く。



退院後84人は、家庭に戻れました。
退院後6人は、他の病院に入院しました。
退院後5人は、介護老人保健施設などに入所しました。
残る5人は、天国に旅立ちました。
そして、9人は30日以内に同じ病院に再入院します。

⇒実質的な入院の継続に恐怖を覚える。
 長期入院保障の必要性に胸が高鳴る。
 介護施設等に対応できない既存の医療保険に不満を抱く。
 退院の種別に「死亡」が含まれることに驚き、納得する。



入院14日以下での退院が、68人です。
 うち10人がガン、10人が消化器疾患、8人が循環器疾患です。
 退院後は、63人は家庭に戻り、2人は別の病院に入院しました。

入院15日~2カ月での退院が、24人です。
 うち5人がガン、4人が循環器疾患、3人が外因の影響です。
 退院後は、18人は家庭に戻り、3人は別の病院に入院しました。

入院2カ月~1年での退院が、7人です。
 うち1人が循環器疾患、1人が外因の影響、1人が精神疾患です。
 退院後は、4人は家庭に戻り、1人は別の病院に入院しました。

入院1年以上での退院が、1人です。
 精神疾患か循環器疾患、神経疾患の可能性が高いです。
 退院できずに死亡した可能性が最も高いです。


⇒死ぬまで入院する「1年以上」の存在に恐れおののく。
 それ以外のケースは保険なしでも何とかならなくもない。
 しかし、たった1人しかいない。備えるか、諦めるか。
 「三大疾病だけ」入院無制限保障できても微妙。
 「三大疾病以外」無制限のほうがむしろ優良という悲しみ。



入院中に手術を受けたのは、37人です。
63人は、手術を受けませんでした。

⇒意外と入院の主目的が「療養」という事実。
 手術保障にお金を払うより入院日額増額が吉か。



◆必要な保障の取捨選択、それが重要

 データさえあれば、あとは解釈次第です。私の解釈はデータ毎のコメントのとおりです。

 そして、コメントをまとめて色々肉付けしたところ、過去記事のような考え方に至りました。「【まとめ】医療保険の考え方・選び方

 医療保険の検討に当たって拠り所となるデータが保険会社側から提供されないのには、困ったものです。

 「脳卒中だと平均入院日数長いです」とか、「三大疾病患者は多いので入院日数無制限保障です」とか、そういう恣意的なデータだけでなく、客観的なデータも提供してもらいたいものです。

 しかも、過去の支払例という大変貴重で膨大なデータを各社蓄積しているのにも関わらずですからね。

 客観的なデータさえあれば、あとは我々消費者側で気付き、取捨選択して、最適解を導けます。


◆データの使い方

 今回の記事は、「日本がもし“退院”患者100人の村だったら」ということで、一定期間内に退院した患者を調査対象としています。

 退院患者の裏では、同程度の新規入院患者が、同様の病態で入院するわけですから、これから入院してしまうリスクを考える医療保険検討者にとって最も必要な情報がコレです。

 一方、過去記事の「日本がもし“入院”患者100人の村だったら」は、現在進行形で入院中の患者を調査対象としているので、短期入院患者よりも長期入院患者が多く抽出されます。

 従って、長期入院患者の入院状況を知るのに役立ちます。


参考:「平成26年患者調査」(厚労省)
着想:「世界がもし100人の村だったら」(池田香代子(著), C.ダグラス・ラミス(翻訳))


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