上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



 あいおい生命の「&LIFE 新総合収入保障 Ⅲ型」と、ソニー生命の「家族収入保険(生活保障特則14)」のどっちが有利なのか結論を出したいと思います。

 両者は、障害を負った場合の就業不能状態を保障する保険として、ライバル関係にあります。従って、どっちが有利なのかは大変重要な問題です。

 しかし、私はこの問題に答えられませんでした。幾度となく質問コメントを貰ったのに答えられませんでした。その度に無力感に苛まれました。

 だから、頑張って調べました。結果、勝者が判明しました。

 勝者は、ソニー生命の「家族収入保険(生活保障特則14)」です。勝因は、特定障害の保障範囲について、「ソニー」のほうが「あいおい」よりも1.5倍優れているからです。

 今回の結果が、皆様の保険選びに役立つことを願って止みません。

 はてさて困った。私は私で、既に旧型の「総合収入保障保険」に契約しているわけなので、これをどうしたものか。。。


◆あいおい生命の「&LIFE 新総合収入保障 Ⅲ型」概要

 国民年金法における障害(以下「年金障害」という)のうち、1級年金障害が保障される。

 長期入院の主要因である精神疾患が保障される点が魅力である。

 2級年金障害のうち、特定傷病(精神障害や外傷は含まれない)による障害も保障される。

被保険者:35歳男性
保険料:9,200円/月
保険期間:60歳満了
保険料払込期間:同上
保障内容:20万円/月
最低支払保証期間:2年


(備考1) 複数の中程度障害を有する場合における2級年金障害が保障されない。従って、ここに区分される障害者が多いと、計算誤差が大きくなる(あいおいに不利な方向で調整される。ただし、おそらく統計上の傷病分類は「その他」に該当すると考えられるため、無視できる誤差だと考える。)。

(備考2) 2級年金障害のうち、精神障害と外傷を除いてもなお保障されない場合が多いと、計算誤差が大きくなる(あいおいに不利な方向で調整される)。


◆ソニー生命の「家族収入保険(生活保障特則14)」概要

 身体障害者手帳における障害(以下「身体手帳障害」という。)のうち、1~3級身体手帳障害が保障される。

 従って、精神障害は保障されない。

 保険料は「あいおい」と同程度である。

被保険者:35歳男性
保険料:9,100円/月
保険期間以下は同条件


(備考3) 今回の比較において、高度障害保障及び要介護保障については考慮しない。従って、これらに区分される障害者が多いと、計算誤差が大きくなる。なお、高度障害保障の内容は両保険とも同一のようだが、要介護保障の内容が異なる。


◆勤労期に1級年金障害者に該当する確率

 30~34歳男性が55~59歳になるまでに、1級年金障害者に該当する確率は、450人につき1人である。

 また、1級年金障害が精神障害に基づく確率は6.2%である。これは、「あいおい」では保障されるが、「ソニー」では保障されない。


(備考4) 5年間で、30~54歳の男性21,400千人のうち9千人が国民年金か厚生年金の1級年金障害に認定される。

(備考5) 本記事では、「厚生年金」という場合には厚生年金と国民年金の両方を受給する障害者を指し、「国民年金」という場合には厚生年金を受給していないで国民年金のみを受給する障害者を指す。

(備考6) 30~54歳男性の5歳ごとの人口は概ね同じなので、30~34歳の400千人は、54歳~59歳のグループに属するまでの25年の間に、(備考4)に基づき9千人が1級年金障害になると考えられる。

(備考7) 次に障害原因の傷病が知りたいが、性別・年齢ごとの障害傷病名が不明である。しかし、厚生年金と国民年金それぞれの級別障害傷病名だけは分かる。国民年金には生まれながらの障害者を含むため傷病割合の算出には不向きである。一方、厚生年金は就職してから認定される制度なので、厚生年金の傷病割合をもって(備考4)の9千人の傷病割合とする。

(備考8) 厚生年金の1級年金障害者65千人のうち、4千人が精神障害である。従って、精神障害の割合は6.2%である。


◆勤労期に2級年金障害者に該当する確率

 30~34歳男性が55~59歳になるまでに、2級年金障害者に該当する確率は、450人につき6.5人である。

 また、2級年金障害が精神障害に基づく確率は39.0%である。これは、「あいおい」でも「ソニー」でも保障されない。

 また、2級年金障害が外傷に基づく確率は8.0%である。これは、「あいおい」では保障されないが、「ソニー」では保障される可能性がある。

 従って、30~34歳男性が55~59歳になるまでに、2級年金障害(精神疾患及び外傷を除く)に該当する確率は、450人につき3.5人である。


(備考9) 5年間で、30~54歳の男性21,400千人のうち68千人が国民年金か厚生年金の2級年金障害に認定される。

(備考10) 30~54歳男性の5歳ごとの人口は概ね同じなので、30~34歳の400千人は、54歳~59歳のグループに属するまでの25年の間に、(備考9)に基づき68千人が2級年金障害になると考えられる。

(備考11) 厚生年金の2級年金障害者187千人のうち、73千人が精神障害、15千人が外傷である。従って、精神障害の割合は39.0%、外傷の割合は8.0%である。


◆「あいおい」の特定障害に該当する確率

 以上の結果、「あいおい」の保障に該当する確率が分かる。

 30~34歳男性が55~59歳になるまでに、「あいおい」の特定障害保障に該当する確率は、450人につき4.5人である。

 率にして、わずか1%である。


◆障害年金と身体障害者手帳との級調整

 次に「ソニー」を考察する。

 身体障害者手帳所持者を主体とした全国的な調査が見当たらないため、障害年金受給者のうちどれだけの者が手帳を所持しているかで推算していく。

 厚生年金の1級年金障害者のうち93.7%は1~3級身体手帳障害者である。

 厚生年金の2級年金障害者のうち62.4%は1~3級身手帳体障害者である

 厚生年金の3級年金障害者のうち39.5%は1~3級身手帳体障害者である。


(備考12) 今回の推算では、手帳所持者の統計が見当たらないため、1~3級身体手帳障害者であるものの、3級年金障害以上の認定を受けていない者は考慮されていない。従って、ソニーに不利な方向での推算となっている。

(備考13) 身体障害者手帳を持っていない要因の多くは、精神疾患が要因による障害認定のため、代わりに精神障害者保健福祉手帳を持っているためである。また、4級以下の者もいるし、所持か不所持か不明な者も存在する。


◆勤労期に1~3級身体手帳障害者に該当する確率

 30~34歳男性が55~59歳になるまでに、1級年金障害に該当し、かつ、1~3級身体手帳障害者に該当する確率は、450人につき0.9人である。

 30~34歳男性が55~59歳になるまでに、2級年金障害に該当し、かつ、1~3級身体手帳障害者に該当する確率は、450人につき4人である。

 30~34歳男性が55~59歳になるまでに、3級年金障害(相当)に該当し、かつ、1~3級身体手帳障害者に該当する確率は、450人につき2人である。


(備考14) 3級年金障害者数は、厚生年金であれば把握出来るが、国民年金には3級が存在しないため把握出来ない。このままでは自営業者等の国民年金側に属する者が除かれてしまう。よって、調整する。5年間で、30~54歳の男性が年金障害認定された数は、1級年金障害の厚生年金で4千人・国民年金で5千人、2級年金障害の厚生年金で25千人・国民年金で33千人である。3級年金障害の厚生年金受給者は20千人なので、2級年金障害者の比率を利用して、3級年金障害相当の国民年金受給者を26.4千人と仮定する。


◆「ソニー」の特定障害に該当する確率

 以上の結果、「ソニー」の保障に該当する確率が分かる。

 30~34歳男性が55~59歳になるまでに、1~3級身体手帳障害者に該当する確率は、450人につき6.9人である。

 率にして、わずか1.5%である。


◆「あいおい」と「ソニー」のどちらを選ぶべきか

 私が優れていると思うのは「ソニー」である。

 この問いの神髄はこうである。「1級年金障害における精神障害を保障する必要性が、身体障害状態を幅広く保障する必要性に勝るのか否か」

 1級年金障害における精神障害は、最上級の1級であるが故に、介助を要する割合も働けない割合も、2級や3級の年金障害者に比べて高い。そのため、保障しなければならない必要性は高いと言わざるを得ない。

 しかし、1級年金障害者のうち精神障害が占める割合はたったの6%でしかない。もはや精神障害を保障するか否かは誤差の範囲でしかない。しかも、障害が極めて重ければ、高度障害か要介護保障を受けられる可能性もある。

 また、3級年金障害における身体障害を保障する必要性が低いわけではない。これらの障害者のうち30%ほどは、障害や病気、あるいは働ける場がないが故に働けていない。

 以上を踏まえ、私は、精神障害を保障するよりも身体障害状態を幅広く保障したほうが合理的であると考える。


◆割り増し保険料は妥当なのか

 「ソニー」のほうが魅力的だとは思うものの、そもそもの問題として、1%や1.5%といった障害リスクに備えて、通常の収入保障保険よりも多めの保険料を払うことが妥当なのかも知っておきたい。

 「ソニー」の場合、これまで検討してきた障害状態を保障するためには、通常の収入保障保険よりも27.8%も多くの保険料が必要である。「あいおい」の場合は更に多くて、36.9%である。

 一方、35歳男性が60歳までに死亡する確率は6.6%である。

 「ソニー」の場合、保障される確率は、死亡の「6.6%」に特定障害の「1.5%」を加えた「8.1%」となる。これは「6.6%」から22.7%増えたことになる。

 つまり、保障されるリスク範囲が22.7%増えたことに対して、保険料の増加は27.8%である、ということなので、まぁ悪くはない。

 一方の「あいおい」の場合、保障されるリスク範囲が15.2%増えたことに対して、保険料の増加は36.9%である。まことに残念な結果である。

 保険料の妥当性からも「ソニー」を選びたい。


(備考15) 年齢別の死亡リスクと障害リスクが加齢によって同じように増加するとは限らないため、あくまで推算である。

(備考16) 保険料とリスクは切っても切れない関係である。従って、「あいおい」の保険料の増加具合は、腑に落ちない。何か重大な見落としがあるか、要介護保障の要件の差異が影響しているかも知れないが、今の私では答えを出せない。


【参考】「年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)平成26年、21年度」、「人口推計(平成26年10月1日現在)」、「平成28年簡易生命表(男)」


スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。